大人だけじゃない小学生がなることも!睡眠時無呼吸症とは?
睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に一時的に呼吸を止める病気です。眠りが浅くなって、質のよい睡眠がとれず昼間に眠くなってしまったり、集中力を欠いて成績が落ちたり、キレやすくなったり、性格が変わったりすることもあります。そのまま続くと低身長や肥満、夜尿などいろいろな悪影響を及ぼすことも…。小学生の睡眠時無呼吸症候群には、どのように対応していけばいいのでしょうか。
うちの子は睡眠時無呼吸症候群かなと疑うときには…
睡眠時無呼吸症候群の症状は「睡眠中に一時呼吸が止まる」ということですが、それ以外にもいくつかの特徴的な症状があります。
例えば…
・寝ている間は常に口呼吸で息をしている
・大きないびき、苦しそうないびき
・おねしょをする
・寝起きが非常に悪い、昼間の眠気が強い、昼寝の時間が非常に長い
また、睡眠時無呼吸症候群の症状が長く続いている場合、次のような症状も見られる事があります。
・呼吸で胸郭が大きくへこむ、あるいは陥没している(漏斗胸)
・落ち着きがない、性格が乱暴になる
・身体、精神における発達の遅れ
・低身長
大きないびきや寝ているときの無呼吸など少しでも心配なときには、小児科や耳鼻咽喉科の先生に相談してみましょう。鼻や口の中、聴診などにより睡眠時無呼吸症候群の疑いが高いときや症状によってはより正確に診断するため睡眠中の呼吸状態や睡眠脳波、心電図や酸素飽和度などを測定することがあります。
アデノイドや口蓋扁桃の手術で改善も
子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因の多くは、アデノイド(咽頭扁桃)、口蓋扁桃が肥大してしまうことです。アデノイドは「のどちんこ」の上辺り、口蓋扁桃は喉を大きく開いたとき左右に見える丸く出っ張った部分です。アデノイドや口蓋扁桃が大きく腫れてしまうと空気の通り道は狭くなり、無呼吸や大きないびきの原因となってしまうのです。
アデノイドと口蓋扁桃は3~7歳の間にもっとも大きくなります。これは成長に伴うものでもあり、自然なことです。細菌が身体に侵入するのを防ぐ役割を果たしているとも考えられています。しかし、場合によっては余分に大きくなりすぎて気道が狭くなってしまったりすると、手術で切除・摘出しなければならないことがあります。
また、肥満が原因だったり、顎や口の形によって睡眠時無呼吸症候群が起きている場合には、手術での対応が難しいため、「経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)」という治療法がとられます。専用の鼻のマスクと特殊な装置を利用し、鼻から気道に空気を送り込み気道内を一定の陽圧に保つことで気道が狭くならないようにする方法です。
睡眠時無呼吸症候群に対して、ご家庭で対応することは難しく、病院でしっかりとした検査や治療を受ける必要があります。疑いをもった時点で、医師に相談するようにしましょう。