赤ちゃんのうつぶせ寝いいの? 悪いの?
赤ちゃんを寝かせるとき、どのように寝かせていますか? 仰向けに寝かせることで、乳幼児突然死症候群(SIDS)の発生率が下がったという欧米での統計結果もあり、厚生労働省もうつぶせ寝は避けるように指導しています(※)。でも、赤ちゃんにとってうつぶせ寝はデメリットばかりではありません。うつぶせ寝のメリットと注意点をご紹介します。
寝返りができない間は仰向けで寝かせる
SIDSは、生後半年前後くらいの赤ちゃんが眠っている間に突然死してしまう病気です。原因ははっきりしていません。しかし、SIDSのリスクが高まるのではないかといわれ、危険視されています。とはいえ、うつぶせ寝がSIDSを引き起こすというわけではありませんが、まだ赤ちゃんが自分で寝返りができない間は、仰向けで寝かせるようにしたほうが安全です。
寝返りができない間は、苦しくても赤ちゃんは自分で動くことができません。万が一、タオルなどが口や鼻にかかってしまった際、それが原因で窒息してしまうリスクがあるので、しっかり注意しましょう。
赤ちゃんが自分でうつぶせ寝をするようになるのは、個人差がありますが、大体生後半年前後。寝返りがうてるようになった頃です。気をつけて仰向けに寝かせていても、うつぶせになっていることがあります。自分で動けるようになった証なので、これ自体は悪いことではありません。赤ちゃん自身も苦しいと感じたら、態勢を自分で変えられるのですが、それでも、危険が少ないように環境を安全に整えてあげることは大事ですし、うつぶせになっていた場合は、そっと仰向けにするなど注意してあげることも必要です。
うつぶせ寝をしてしまっても安全な環境とは
赤ちゃんによっては、仰向けに戻してもまたすぐにうつぶせになってしまう場合も。うつぶせになるとマットや枕などで窒息しやすいといわれています。マットは顔などが沈まないように固めのものを選びましょう。また、ベッドには枕やクッションなど、顔が埋まってしまうようなものは置かないのが安全です。ふわふわとした素材のシーツなども窒息の原因になることがありますので避けましょう。
また、たとえばフード付きの衣服やビブなども、寝ているときに顔を覆ってしまうことがあるので要注意。またシーツなどと同様、ふわふわとした素材も避けたほうが安心です。
うつぶせ寝は赤ちゃんにとって心地よい姿勢
注意事項が多く、いかにも危険がいっぱいというイメージのうつぶせ寝ですが、実は赤ちゃんにとっては、心地よい姿勢なのだそうです。しかも、メリットもいろいろ。
赤ちゃんには、心地よい姿勢であるだけに、うつぶせ寝の場合、仰向けよりもよく眠れるといわれています。よく眠れば、起きたときもご機嫌ですね。
またうつぶせ寝なら頭の形がよくなります。仰向けの場合、後頭部を長いこと圧迫してしまうので、絶壁のような頭になりやすいのです。
そして、赤ちゃんは寝ながら吐いてしまうことがよくあります。それは胃の筋肉が未発達のため。しかし、うつぶせで寝かせることで、胃の入り口が上向きになりげっぷも出やすく、しかも胃の中のものが逆流しにくく、吐きにくくなるのです。
うつぶせ寝でとくに気をつけなくてはいけないのは、寝返りができない間です。寝返りができるようになれば、赤ちゃんも自分で快適な姿勢になるもの。それほど心配することはないでしょう。でも、注意点を踏まえて安全な環境には配慮してあげてくださいね。