小児科医に聞く、幼児期の不慮の事故を防ぐには

小児科医に聞く、幼児期の不慮の事故を防ぐには1~14歳の子どもの死因第1位となっている「不慮の事故」。子どもの事故予防に詳しい小児科医の山中龍宏氏は、「大ケガや死亡につながるような事故は、十分な対策で防ぐことができる」と話す。ベネッセ教育情報サイトが、幼児期の事故の特徴と防ぎ方について山中氏に伺った。

 

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厚生労働省の「2008(平成20)年人口動態統計」によれば、不慮の事故による死因で、0歳児は窒息が圧倒的に多いのに対し、1歳過ぎからは交通事故が急に増えて第1位になります。幼児期の交通事故の大半は、歩行中と自動車乗車中に起きています。乗車中の死亡事故は、チャイルドシートをきちんとつけていれば防げた事故がほとんどです。

 

幼児のチャイルドシート着用率はいまだに低く、2011(平成23)年の警察庁・日本自動車連盟(JAF)の調べによると、1歳未満が80%以上なのに対し、1~4歳は60%に満たないのが現状です。しかも、取扱説明書どおりに正しく着用している数となると、もっと少なくなります。「近くまでの移動だから大丈夫」「あまりスピードを出さないから大丈夫」。そんな理由でチャイルドシートを使わない人がいますが、事故は自分が気を付けていても、いつ起こるかわからないものです。保護者の油断が子どものケガや事故につながることを肝に銘じ、チャイルドシートを正しく着用しましょう。

 

また、子どもは3歳を過ぎるあたりから、動きが大胆になります。高いところにも果敢に挑戦するようになり、転倒・転落事故が増えてきます。心配なのは転倒・転落で頭を打った時。すぐに泣き止んで、その後は機嫌よく、食欲もいつもどおりであれば、ひとまず安心です。ただ、打撲後2~3日は、意識して子どもの様子を観察してください。「吐く」「呼吸が荒い」「ひきつける」「いびきをかく」「うとうとして顔色が悪い」「光をまぶしがる」など、いつもと違う様子が見受けられたら、早急に病院を受診しましょう。

 

出典:子どもの不慮の事故を防ぐ~幼児期編 -ベネッセ教育情報サイト

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