指しゃぶりや爪かみの原因は? 子どもの心と行動を小児科医に聞く
病気というほどではなくても、おもらし、指しゃぶり、爪かみを気にする保護者は多いだろう。しかし、どのケースも「いつまでも続くことはない」と思って、ゆったり見守ることが大切だ。ベネッセ教育情報サイトでは小児科医の山根知英子氏にそれぞれの対処法を伺った。
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おもらし、おねしょは排尿機能が未成熟なために起こるケースがほとんど。排尿機能の成熟には個人差があるので、親はあせらず成熟するのをゆっくり待つ姿勢が大切です。おねしょ対策として「就寝前の水分補給を控える」「就寝前の排尿を習慣づける」「昼間の排尿前に1回くらい少し我慢させて、膀胱の容量を増加させる訓練をする」などを実践しましょう。
排尿機能が成熟したにもかかわらず、一時的に排尿コントロールがきかなくなり、おもらしが始まるケースもあります。こうしたケースは5歳〜8歳の間に始まることが多く、下の子が生まれて、親の関心が下の子ばかりに向けられているなどの精神的ストレスが原因になっていることがあります。子どもの不安な気持ちを受け止めてあげましょう。
乳幼児の指しゃぶりは、眠るときや寂しいとき、退屈なときによく見られます。安心感を得るための行為なので悪いことではありません。ただし、咬合(こうごう)不全(歯並びやかみ合わせがよくない状態)や細菌感染の心配もあるので、3歳を過ぎても指しゃぶりが激しい場合は、ほかのことに関心を向けさせてみましょう。強く叱るのはストレスを与えるので逆効果です。
爪かみは不安、緊張、ストレスの現れで、4歳頃から始まり10歳頃にいちばん多く見られます。爪をかむことによって自分の気持ちが、それ以上にならないように抑えている場合もあるので、無理にやめさせれば爪かみ以外の行動を取るようになることも。軽く爪をかむ程度なら、気付いたときにさり気なく(叱るのではなく)注意すればよいでしょう。ただし、爪がボロボロになるような激しい爪かみの場合は、心理的治療が必要になります。専門医(心身症外来、心療外来、心理外来、発達外来など)に相談してみましょう。
出典:おもらし、指しゃぶり、爪かみ~心の不安? -ベネッセ教育情報サイト