授業が変わる? 「話し合いの活動」が増えている2つの理由
今、学校の授業場面では、話し合いの活動が増えている。教室の机をコの字型にしてクラス全員で行う場合や、4人程度のグループに分かれて行う場合など、形態はいろいろとあるが、増加の理由は何だろうか。ベネッセ教育総合研究所・情報編集室長の小泉和義氏に伺った。
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話し合いが増えている理由は二つあると考えます。
一つは、子どもが主体的に授業に参加できるようにするためです。先生の話を一方的に聞く授業にくらべ、話し合いを取り入れた授業では、自分自身が発言をすることが前提になっています。先生から投げかけられた問題を、一人ひとりが意見を出しながらみんなで解決していく授業は、子どもたちの授業への参加意欲が高くなり、考えたり、判断したり、表現したりする力が育ちます。ただ、知識をしっかりと習得することも大事ですので、家庭学習と学校での授業をセットにして学力を高めるようにしているのです。
もう一つの理由は、文字どおり「話し合う力」を育てるためです。グループの中で、司会や記録をとる人を輪番制にしたり、あえて賛成意見、反対意見を言う人を決めたりしながら話し合いが活発に行われるようにします。最も大切なことは、子どもにとって切実な課題を話し合いのテーマにすることです。そうした問題であれば、子どもたちは当事者意識をもって解決しようとします。そして、自分の主張を押しとおそうとするだけでなく、相手の意見を聞きながら、どこかで自分も妥協しながら、新しい解決策を探していこうとします。そうした活動をとおして「話し合いの力」は育っていくでしょう。
話し合いの力とは、「相手を打ち負かす力」ではなく、相手とともに「新しい価値を生み出す力」です。これからの社会でも必要とされている「議論する力」だと思います。
出典:「話し合いの力」を育てよう[中学受験] -ベネッセ教育情報サイト