昔と今でこんなにも違う?! しゃがめない子どもが増えている理由と解決方法
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足の裏をつけてしゃがむことはできますか? 簡単そうに見えますが、実はこれができない子どもが増えています。その理由は、身近な生活が変化していることにありました。大きなケガの原因となる可能性もある問題を、子どものころから解決していきましょう。
しゃがめない子どもが増えている?! 放っておくとケガの原因にも……
まずは、しゃがむことができるかチェックです。足の裏をピッタリ床につけたまま、しゃがんでみてください。お尻は床につけず、足はしっかり折り曲げましょう。
もし、「足をしっかり曲げられない」「しゃがめずに後ろに転がってしまう」という場合は、体が硬い可能性があります。体が硬いと、小さな段差でつまずいてしまったり、立ったり座ったりする動作がうまくいかなかったりすることも。その結果、思わぬケガにつながってしまう可能性があるのです。
実は、このような子どもが近年増えてきています。それは、私たちの生活が大きく変化したことも原因となっているのです。
和式トイレに和室……身の回りから「和」が減ったことも原因
しゃがむことができなくなった原因の一つとして、私たちの生活が和→洋に変わったことが考えられます。
たとえばトイレ。現在は洋式トイレが主流ですが、数十年前は多くの家庭で和式トイレを使っていました。和式トイレは、しゃがんで使うもの。トイレに行くたびに、しゃがむという動作を繰り返していたのです。そのため、自然と筋肉や関節を動かせていました。
でも、洋式トイレはこの経験ができません。毎日自然と行っていたしゃがむという動作が、今の子どもたちはできなくなっているのです。
この現象はトイレだけではありません。部屋が和室から洋室になり、家庭でも出先でも「座る」といえば「イスに座る」ことが普通に。正座やあぐらという座り方をしないだけでなく、足を曲げる機会も減りました。足腰への負担は少ないですが、それだけ衰えている可能性があるということです。
現代の子どもたちにとっては、この生活が当たり前。昔と比べて、足周辺の筋肉や関節を使う機会が圧倒的に減っています。だからしゃがめなくなってしまう……まさに現代病ともいえるかもしれません。
体を柔らかくしよう! お家でできる簡単な運動遊び
西洋化した生活の中で、体が硬くなるのはある意味自然なこと。でも、放っておくよりは、ケガや事故を防ぐために、少し意識して体を柔らかくしたいですよね。
とはいえ、子どもに「ストレッチをして」と言ってもなかなかやりません。だから「遊び」にして自然と体を動かせるようにしましょう。
・ギッタンバッコン船遊び
親子やきょうだいでできる遊びです。向き合って手をつないで、足裏を合わせましょう。足はまっすぐ伸ばしてください。難しいうちは、少し曲げてもOK。この状態で、前に後ろに引っ張り合いましょう。船をこいでいるように「ギッタンバッコン」と声をかけたり、歌をうたったりすると楽しめます。
応用として、足を少し広げて同じように遊んでみてもよいでしょう。足の裏側だけでなく、内側や上半身のストレッチにもなります。親子でも楽しめるので、保護者のかたも一緒に柔軟性をアップさせましょう。
・動物に変身!
動物歩きは、普段使わないさまざまな筋肉を使います。もちろん、柔軟性アップの効果も。上手にできなくても、楽しみながらやることで自然と体を動かすことができます。
ハイハイから膝を上げた姿勢の「クマ歩き」。仰向けの状態から足と手で体を浮かせる「クモ歩き」。他にも、ウサギ飛びやカエル飛び、あひる歩きなども自然としゃがむ姿勢を取ることができます。「クマさんに変身!」「お風呂までウサギさんで行こう」と、生活や遊びに動物歩きを取り入れてみましょう。
また、保護者のかたの足の上にお子さまの足を乗せ、落ちないように歩く「ペンギン歩き」もおすすめ。バランスを取るために、大人も子どもも普段と違った動きをすることができます。親子のコミュニケーションにもなるでしょう。
まとめ & 実践 TIPS
運動遊びは、柔軟性をアップさせるだけでなく、筋力を鍛えたりバランス感覚を養ったりする効果もあります。もちろん、普通のストレッチをしたり、外で体を動かしたりすることも大事です。
体が柔らかくなれば、それだけ可動域が広がり、ケガをしにくくなります。健康に楽しく過ごしていくために、親子で一緒に体を柔らかくしていきましょう。
出典:中野区医師会「しゃがめない子どもたち」
https://www.nakano-med.or.jp/topics/2018/02.php
出典:山形徳洲会病院「子供ロコモ 予防・改善プロジェクト」
http://www.yamatoku-hp.jp/locomo/
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