志望校合格に役立つ!「テスト前でもなぜ、スマホを手放さないのか?」と思ったら。
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気が付けばいつもスマホにばかり気を取られている様子の我が子にヤキモキしてしまう。
とはいえ、「勉強しなさい」「時間を守れないなら取り上げるよ」などと口を出してしまうと途端に反発してこじれてしまうことも。
お子さんとスマホとの付き合い方は、どの年齢でも大きな課題になっているようです。
今回はビジネスパーソン向けコーチングに加えて、お子さまとのコミュニケーションをよりよくするためのママ向けコーチング講座を提供しているコーチの私・中原絵里子と、高1の長女との事例も踏まえながら、コーチングの視点ではこの課題をどのように考えるのか、お伝えしていきます。
1.保護者にとって、何が「問題」なのか?
「テスト前にもかかわらずスマホばかり触っている」というこの状況について、保護者にとっては何が「問題」なのか、考えてみましょう。
勉強時間が減ってしまい、成績が下がることでしょうか。確かにそれも「問題」ではありますが、冷静に考えるとそれはお子さんの「問題」です。いい成績が取れず補習を受けなければならない、評定平均値が下がってしまうなどの不都合があって困るのはお子さんであって、保護者ではありませんよね。
では何が保護者にとっての「問題」なのでしょうか。
私の場合で考えてみると、娘がずっとスマホでマンガを読んだり動画を見たりしているとわかっているのに、声もかけずに放置しているとしたら、親としての責任を果たしていないように感じてしまうかもしれません。
この先娘が進みたい道が見つかった時に後悔しないように、行動を正す責任があると思ってしまうかも。でもこれもまた娘の「問題」であって、私の問題ではないのです。
この場合の親にとっての「問題」は、一つは「テスト前だとわかっているのに我が子がスマホに時間を費やしている背景や思いをわかっていないこと」かもしれません。つまり、コミュニケーションの問題です。
コミュニケーションで大切なのは、「自分のことも相手のことも半分も知らない」という前提で話すこと。決めつけずにフラットに、どう考えているのか聞いてみるところから始めてみてください。
2.お子さんにとっては、何が「問題」なのか?
ではお子さまの立場で考えてみた時には、何が「問題」なのでしょうか。
一見、「止めなければとわかっているのに止められない意思の弱さ」や「成績が下がること」だと考えがちですが、もしかしたらもう少し根深い「問題」があるのかもしれません。
中3のテストは内申点をあげるためにも手を抜けないもの。
苦手な教科がある場合は、「これもわからない」「こっちも全く理解できない」と蓄積しすぎて何から手がつけたらいいかわからず、「志望校を変えようか…」とあきらめてしまうケースも出てくる時期です。
進路面談や進路説明会と、「いよいよ受験」とプレッシャーを感じる場面も増えていきます。
人は全力で向き合い、本気でやってもうまくいかない自分に出会いたくないもの。だからあれこれと「問題」を作り、できない言い訳を用意したくなるのです。
お子さんにも、向き合いたくないものがあるのかもしれない。スマホを手に、必死で守っているものがあるのかもしれない。そう考えてみると、声かけの言葉も変わってきませんか?
3.親と子の「問題」は同じではないという前提でコミュニケーションを
このように、「テスト前なのにスマホばかり見ている」という状況に対する本当の「問題」は、親と子では異なるという前提に立つと、会話も変わってきます。
ポイントは「並んで未来を見ながら話す」こと。
同じ方向(=未来)を見ながら「私はこう感じている」「あなたはどうしたいと思っている?」と会話をしていけばぶつかりにくいですし、お子さんも受け取りやすいもの。
たとえば娘が自室にスマホを持ち込まない約束にもかかわらず、勉強中にスマホを持ち込んでいるのに気付いた時、「ルール違反でしょ、今すぐやめなさい」と言いたくなるのをぐっとこらえて、「テスト勉強に集中するために協力できることはある? スマホは邪魔になっていない?」と聞いてみたところ、「数学でわからない問題があった時に解答解説が見られるアプリを使っている」「ノート整理などの単純作業は音楽を流しながらのほうがはかどる」と説明してくれたので、「私は仕事中でもついついスマホでSNSを見てしまったりする。自己管理は難しいものだから、もし対策が必要だと感じて協力が必要な時は言ってほしい」とだけ伝えました。
娘がテストに向けてどんな結果を期待してどれぐらいがんばるつもりなのか、実際にどれぐらい実行できているのかを、私はきっと半分も知らない。
だからきちんとコミュニケーションを取ることこそ、親ができる応援なのではないかと思います。
あなたは、お子さんの何を「問題」だと感じてヤキモキしているのでしょうか。
お子さんは、本当はどうしたいと思っているのでしょうか。
決めつけずに相手の言葉で知りたいと思うこと。
距離の近い関係性だからこそ、ここからコミュニケーションを始めることが大切です。
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