お子さまの責任感を育むために保護者のかたができること

「責任感」は、社会生活を送るうえでとても重要なものです。自分の言葉や行動に責任をもって途中で投げ出すことなどなく、最後までやりとげようとする人に、仕事や頼み事は集まり、まわりからの信頼も厚くなります。
では、責任感とはどのようにして身につけていくものなのでしょうか。お子さまが責任感を身につけるうえで、保護者ができることについてご紹介します。

責任感を育む最善の方法は「お手伝い」!

お子さまの責任感を育む最も良い方法は、「お手伝いをさせること」です。仕事を与え、実体験として責任感をもたせることが効果的です。しかし、勉強に習い事、遊びに忙しい中、毎日お手伝いをさせることはなかなか難しいという場合もあるでしょう。
お子さまに「忙しくてできなかった」という言い訳をさせないように、お手伝いの担当を決めてしまうのがおすすめの方法です。
例えば、お風呂掃除担当、玄関掃除担当などです。まだ小さなお子さまであれば、夜寝る前に電気を消す担当などでもよいでしょう。お子さまをそれぞれの役割に任命すれば、他の家族は一切手出ししないようにしましょう。自分の担当している仕事は責任をもってやるように約束させ、「自分がやらなければ家族みんなが困る」という状況をつくることがポイントです。

しかしお子さまは、効率的なやり方などはまだわからないもの。ときには失敗もします。そんなとき、自分でやった方が早いからと保護者のかたが口や手を出してしまうと、お子さまはやる気をなくしたり、「パパやママがやってくれる」と責任を放りだしたりする可能性があります。
そんなときはぐっとがまんし、見守ってあげてください。自分の頭で考えて少しずつ工夫しながら、いずれうまくできるようになります。
そして、お子さまが自分の仕事を終えたときには、「ありがとう」「助かったよ」と声をかけてあげましょう。「自分が誰かの役に立っている」という喜びが、責任感の土台になります。

お子さま自身に考えさせ、決断させよう

お手伝いを通して責任感を育むことに加え、ふだんからお子さまに、自分自身の決断に責任をもつよう意識させることも大切です。
「自分自身の決断に責任をもつ」と言うと、大人でも難しいような印象がありますが、カギとなるのは「言ったことや約束は守る」「やると決めたことは投げ出さない」という2点です。
自分から「毎日、玄関掃除のお手伝いをする」「これからは、苦手な食べ物も残さず食べる」など決めたことがあれば、それを辛くても続けるように保護者のかたも応援してあげましょう。

その際に大切なのは、他人から「~しなさい」と決められたことではなく、その決断がお子さま自身の決断であることです。誰かに言われたことだと、辛くなったときに「本当はやりたくなかった」などの言い訳をしたり、人のせいにしたりする可能性があります。
言い訳や人のせいにすることを覚えてしまうと、責任感は弱くなってしまいます。しっかりと責任感を育むためには、自分で考え、決断するところからできるように導いてあげましょう。

もちろん、お子さまだけで何でも決めるというのは難しいため、保護者のかたがアドバイスをしてあげることが大切です。例えば、どんなお手伝いをするか決めるのであれば、保護者のかたが「毎日○○をしなさい」と決めるのではなく、「どんなお手伝いなら毎日続けられそう?」と聞いてみるなどの工夫が大切です。

保護者のかたが信じて応援してあげることが大切

責任感をもつということは、「言ったことや約束は守る」「やると決めたことは投げ出さない」といったことを意識することです。
しかし、これは大人でもなかなか難しいことでもありますよね。お子さまもすぐにはできなかったり、続けられなくなったりすることもあるかもしれません。しかし、そんなときでも、保護者のかたは信頼して応援してあげてください。
身近なパパやママが信じて応援してくれることが、「がんばって続けよう」というお子さまの原動力になります。そしてそれは、大人になってからの「周りの人のためにも、責任を持ってやりとげよう」という気持ちにつながっていきます。
他でもない保護者のかたがお子さまを信じてあげることが大切なのです。

プロフィール



「ベネッセ教育情報サイト」は、子育て・教育・受験情報の最新ニュースをお届けするベネッセの総合情報サイトです。
役立つノウハウから業界の最新動向、読み物コラムまで豊富なコンテンツを配信しております。

子育て・教育Q&A