出願準備は意外と大変!? 保護者が押さえたい注意点は?【国公立大・私立大編】
- 大学受験
大学入試に向けた出願に関して、お子さまの大学受験をサポートした保護者のかたから「予想以上に大変だった」という声が毎年寄せられます。
特に私立大の場合は、大学・学部、入試の方式によって出願方法や提出書類などがそれぞれ異なることも多いため、複数大学・学部、複数方式を受験するとなると準備が大変です。
そこで今回は、前回ご紹介した「共通テスト編」に続いて、「個別大の出願」をテーマに、国公立大・私立大それぞれの出願についてポイントをご紹介していきます。
概要や注意点を押さえて、着実に手続きを進めていきましょう。
前回の記事はこちら
出願準備は意外と大変!? 保護者が押さえたい注意点は?【大学入学共通テスト編】
国公立大の出願時期と大まかなプロセスは全国一律
2025年度入試(一般選抜)において、国公立大の個別試験(2次試験)出願期間は、前期・中期・後期日程いずれも2025年1月27日~2月5日。
多くの大学・学部では、出願はインターネットで行います。
なお、出願にあたって注意したいのが、一部の大学・学部で実施されている「2段階選抜」。
2段階選抜とは、志願者数が想定を上回った場合に、大学側が共通テストの成績をもとに「2次試験を受験できる人」を選抜すること。
この選抜にもれると、志望大の2次試験を受験できず不合格になってしまうので、
各実施大の募集要項で2段階選抜の条件などを確認しておくとよいでしょう。
大学によって手順が異なる場合もありますが、基本的な出願プロセスは以下のとおりです。
1.出願登録に必要な書類や証明写真(顔写真データ)を準備する
2.出願内容や写真をインターネットで登録する
3.検定料を支払う
4.出願書類を郵送する
出願手続きの詳しい方法は、各大学の募集要項や大学のWebサイトでご確認ください。
なお、出願書類や受験票を印刷する必要があるので、出願にはプリンターが必要です。
ご家庭にプリンターがない場合は、コンビニエンスストアなどでの印刷方法を事前に押さえておくなど、必要書類を印刷できる体制を整えておきましょう。
通っている高校に相談してみてもよいでしょう。
私立大の出願は「出願時期」と「提出書類」に注意
私立大の出願は、近年は「インターネットで出願登録→書類を郵送」というプロセスが主流になっています。
ただし気を付けたいのが、私立大の一般選抜は、保護者世代におなじみの「学部別入試」のほか、「共通テスト利用入試」や「全学部入試」、「英語資格・検定試験利用入試」などさまざまな入試方式があることです。
そして、大学・学部・学科、入試方式によって手順や書式、出願時期、準備する書類も異なる場合があるので、複数校、あるいは、複数学部・学科や複数方式を受験するとなると、準備には時間と手間がかかります。
特に注意したいのは、「出願時期」と「提出書類」の2点です。
■出願時期
同じ大学でも、入試方式や受験学部によって出願時期が異なるケースはよく見られます。
たとえば近畿大学の2025年度一般選抜では、出願時期に次のような違いが見られます。
●一般入試・前期(A日程)/共通テスト併用方式(A日程)
出願期間:2025年1月3日(金)~1月17日(金)<消印有効>
(医学部のみ2024年12月13日(金)~2025年1月10日(金)<消印有効>)
●一般入試・前期(B日程)/共通テスト併用方式(B日程)
出願期間:2025年1月3日(金)~2月3日(月)<消印有効>
※「近畿大学入試情報サイト」( https://kindai.jp/exam/system/)をもとに弊社作成。
出願締め切り日を間違って覚えていると、試験日や方式を変更しようとしても、「変更希望先の出願期間がもう終わっていた……」といった手痛い失敗が起こる場合も。
受験する可能性のある大学・学部が決まったら、まずは「どの入試方式で受験するか」を早めに検討し、出願期間や、書類必着日などの出願スケジュールを確認して準備を進めましょう。
■出願書類
同じ大学・学部を受験する場合でも、方式によって必要な書類は異なる場合があります。
たとえば2025年度に京都産業大学を受験するにあたって、出願書類は次のような違いがあります。
出願書類に不備がないよう、必要な書類をよく確かめて出願しましょう。
●一般選抜入試(共通テストプラス以外)の出願に必要な書類
- 出願資格を証明する書類
(調査書など) - 写真データ
●一般選抜入試(共通テストプラス)、共通テスト利用入試の出願に必要な書類
- 出願資格を証明する書類
(調査書など) - 写真データ
- 『令和7年共通テスト成績請求票(私立大学・公私立短期大学用)』
●共通テスト利用入試における「英語」の資格・検定試験の活用を希望する場合に必要な書類
- 出願資格を証明する書類
(調査書など) - 写真データ
- 『令和7年共通テスト成績請求票(私立大学・公私立短期大学用)』
- 英語の資格・検定試験の取得を証明できる資料
※「京都産業大学入試情報サイト」(https://www.kyoto-su.ac.jp/admissions/exam/apply/download/index.html)をもとに弊社作成。
また提出書類のうち、注意しておきたいのがお子さまが通う高校からの調査書についてです。
調査書を発行してもらったあとに併願大を追加するなどした場合、再度調査書を申請しなくてはならなくなり、時間や手間がかかってしまいます。
多くの高校では、高3の12月の三者面談で出願校を決定するため、面談までに出願校数を確定しておくとよいでしょう。
保護者のかた主導で出願を行うご家庭も!
ここまでご紹介してきたように、出願準備は意外に手間がかかり、注意すべきポイントも少なくありません。
また、「どの手順まで進めたか」を管理するのも大変。
一方で、出願時期は、お子さまにとっては受験勉強大詰めのタイミングでもあります。
そのため、お子さまが勉強に集中できるよう、保護者のかた主導で出願準備を行うご家庭も少なくありません。
たとえば「ベネッセ教育情報サイト」の人気連載マンガ「どうなる!? 息子2人の大学受験…イマドキ保護者の悶えるホンネ」第52回でも、作者のよしだゆうこさんが主体となって次男の出願を進めたエピソードが紹介されています。
https://benesse.jp/juken/202211/20221121-1.html
そこで、お子さまの出願に向けて、先輩保護者がどんな関わり方をしたのか、体験談をいくつかご紹介します。
ご家庭の状況に合いそうな内容があれば、サポートのしかたを参考になさってみてもよいでしょう。
(体験談)
子どもは受験勉強が進んでいなくて余裕がなさそうだったので、出願手続きは親が主導で慎重に行いました。併願大の検討や資料取り寄せ、リサーチなどもあわせて担当したので、本当に大変でしたが……。第1志望大に合格してくれて報われた思いです。
(千葉大・法政経学部合格者の保護者)
出願の手続は想像以上に大変でした。ただでさえ疲れているのに、夜中まで親子で準備をしていると気が遠くなって、泣きそうになってしまったことも。
(静岡大・人文社会科学部合格者の保護者)
娘には勉強に集中してもらいたかったので、私が出願準備を担当。
受験する学部や入試方式を間違えないように緊張しました。昨年度の合格率や合格最低点などを念入りに調べ、受験スケジュールと有利な方式を娘と相談しながら工夫して出願。見込みが当たって合格できた大学・学部もありました。がんばっていろいろリサーチしてよかったです!
(立命館アジア太平洋大・アジア太平洋学部合格者の保護者)
併願大を多めに受験したので、大学によって手続きもさまざまで戸惑いました。
出願手続きのサポートをしてあげたいと思い、それぞれの大学の出願方法やスケジュール、受験料などをノ—トにまとめ、何か確認したい時に、いちいちスマホで調べなくても一目でわかるようにしました。
(立教大・観光学部合格者の保護者)
※2024年4月~5月に行った「保護者のかた向けアンケート」(2,901人回答)に寄せられた体験談をもとに作成。
まとめ & 実践 TIPS
「個別大の出願」は、準備が大変なうえに細かい確認ごとも多く、受験生本人にとっても保護者のかたにとっても気を遣うところですね。
でも、出願をミスなく終えることができれば、「あとは最後まで勉強をがんばるだけ!」とお子さまもひと安心できるはず。
志望大・学部が決まったら早めに出願準備をスタートし、お子さまの合格を後押ししてあげてください。
- 大学受験