まだ受験を控えている場合 入学までをどう過ごす?[高校受験]

 この時期、まだ受験を控えているご家庭もあれば、進学先が決定してのんびりした空気が流れているご家庭もあるかと思います。そこで、ケース別に、この時期の過ごし方を考えてみましょう。

 まだ受験を控えている場合には、その都道府県の一般入試自体がこれからというケースも、当初予定していた受験校が不合格で、二次募集、追加募集にこれから挑むというケースもあると思います。前者についてはこれまでに触れてきたので、ここでは後者についてお話しします。



■公立高校の場合

 公立高校については、最初から二次募集の日程は決まっています。お住まいの都道府県の教育委員会のホームページを検索すれば、高校入試の日程が出てきますし、中学校あるいは塾の先生に尋ねれば教えてくれるでしょう。どの高校が二次募集をするかは教育委員会のホームページに公表されますし、新聞の地域版に記事として出るので、注意して見てください。
 二次募集は募集人員が少ないので、学校によって倍率が極端に違います。人気があり、例年だと欠員が出ないのに今年たまたま定員が埋まらなかった高校などには、思わぬ不覚を取った実力のある受験生が集中したりするので、とんでもない倍率になることもあります。もうあとがないだけに失敗は許されません。中学校、塾の先生に十分相談して、合格が確実な高校を選ぶようにしましょう。
 二次募集の学力検査教科は、一般入試が5教科で行われていても、3教科に軽減されている都道府県が多くなっています。こうした立場におかれた場合はすぐに調べて、教科を絞って勉強することが大切です。



■私立高校の場合

 私立高校は、入学手続き者が募集人員に満たなかったらただちに追加募集を始めます。なかには出願を締め切った段階で明らかに募集人員が埋まらないと判断された時に、すぐに塾などに追加募集の案内を送る学校もあります。
入学手続きが終わった段階では中学校にも追加募集の知らせが行きますし、各都道府県の私立中学高等学校協会のホームページにも発表され、新聞にも出ます。試験日は学校ごとにまちまちなので、公立と違って何校でも受けられます。

 お子さま本人は肉体的にも精神的にもきついでしょうが、あと数日のがんばりで3年間の高校生活を手に入れられるのです。ここまできたら、気力の勝負です。保護者のかたにお願いしたいのは、これまでの失敗は一切口にせず、明るく元気に振る舞って、お子さまに自信を取り戻させることです。気持ちを前に向かせてあげてください。


プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

子育て・教育Q&A