中学受験する?しない?いつまでに決定すべき? すると決定したら、やるべきこととは?

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中学受験をするかしないか、迷っているけれど、受験する可能性は残しておきたい……そんなふうに考えている保護者のかたも多いのではないでしょうか。今回は、中学受験の決定時期と、決定後にやっておくべきことについて、森上教育研究所がお伝えします。

この記事のポイント

受験するしないにかかわらず「4年生から勉強を始める」という選択も

多くの場合中学受験を目指す塾のカリキュラムは4年生から始まります。したがって、受験するお子さんは4年生から通塾と勉強をスタートするのが一般的です。
とはいえ、子どもの成長度合いは個人差が大きいものです。特に精神的に幼くみえるお子さんの場合、4年生の時点では受験をするかしないか保護者のかたが迷われるのも無理はないと思います。

結論から申しますと、「もし迷われているようであれば、習い事感覚ででも、4年生から中学受験の勉強を始めてみては」というのが私の考えです。

4年生であれば塾での学習内容はそれほど難しくなく、5、6年生より費用も安いケースがほとんどですから、「楽しみながら興味を広げる」というスタンスで、気軽に学習を始めることが可能です。
ただし、都市部では低学年からの通塾が増えており4年生からの入塾が難しい地域もあります。そうした場合は3年生から通塾をスタートしておいてもよいでしょう。その際は、そこで勉強しているかどうかは問わず「楽しく通えていればそれでいい」という心構えでいることが大事です。

5年生進級までに受験をするかどうかの決定を

4年生の学習で大切なのは、お子さんの「好きなこと」「得意なこと」をいかに発見するかということです。
「好き」や「得意」がはっきりしていれば、それを入試で生かせる可能性があります。4年生の間は楽しみながら学ばせて適性を見極めましょう。4年生では算数と国語だけ塾などで勉強を始めておいて、理科・社会は科学教室や博物館へ行く、家庭で図鑑や参考書で調べるなどして、楽しみながら少しずつ興味を広げるという方法もあります。

ただし、難易度や量が合っているかはよく見極めてください。
塾の授業や家庭学習のテキストが難しすぎて勉強が嫌いになっては本末転倒です。難易度が高い塾の場合は「今は全部できなくて大丈夫」「順位は気にしなくていいよ」と、保護者のかたがはっきり言ってあげる必要があります。

そうして勉強を続ける中で、お子さんの適性を見極めるとともに家族で話し合いを行い、「中学受験するか」「どの学校を目指すか」を、5年生進級までには決定しましょう。

受験すると決めた場合はまず「ルール・ロール・ツール」を決める

中学受験をすると決めた場合に、まず行いたいのは受験に向けて「ルール・ロール・ツール」を決めることです。

ルールとは、例えば学校や塾から帰ったときに最低限行うことなどの親子の決まりです。

ロールは、塾の送り迎えを誰が行うのか、学習のフォローを行うのは誰かなどの親御さんの役割です。

そして、どの塾、個別指導に頼むのかということに加え、座右の書のとなるようなわかりやすい教材をツールとして決めておきましょう。

これらのルール・ロール・ツールに加えて、中学受験でお子さんにどこまで望むのかということもご家庭内でしっかり話し合って決めておくことが大事です。
受験を巡って親御さんの間で喧嘩になり、深刻な場合には離婚に至ってしまう場合もあるのです。親子の日常をよりよくするために力を合わせて楽しく取り組むということを前提に、受験対策を考えていただければと思います。

受験をしない場合は、賢くペースメイクし膨大な自由時間の活用を

中学受験をしないと決めた場合にぜひ心がけていただきたいのが、受験勉強に費やさなくてすむ膨大な自由時間をうまく活用することです。
学習に関しては学校の宿題だけではやや心許ないですから、塾、個別指導、通信教育、教材などからお子さんに合うものを選んで負担にならない形で取り組ませることで、学習のペースメーカーにするとよいでしょう。

もう一つぜひお勧めしたいのは、語学、音楽や美術などのアート、スポーツなどに時間をあてることです。
お子さんがこれまで熱心に取り組んできた習い事や趣味があればぜひ続けましょう。特に英語については、今後中学生になってから役立ちますし高校入試にも生かすことができますから5年生から始めるのもお勧めです。

まとめ & 実践 TIPS

一般的に、中学受験する場合は4年生から通塾と勉強をスタートしますが、受験をするかしないか迷われる場合は、習い事感覚で4年生から中学受験の勉強を始めてみるのも選択肢の一つです。
お子さんの適性を見極めたうえで家族で話し合いを行い、5年生進級までには受験するかどうかを決定しましょう。
受験すると決めた場合は家族で「ルール・ロール・ツール」を決めておくといいでしょう。受験しない場合は、膨大な自由時間を活用するための学習のペースメーカーを決めるとともに、語学、アート、スポーツなどに時間をあてるのもおすすめです。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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