「大きくなったら何になりたい?」ときいたら「なりたいものがない」という子ども…何と言ってあげたらよい?
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「大きくなったら何になりたい?」という質問に「カメラマン!」「パティシエ!」「学校の先生!」など、答えがポーンと返ってくると嬉しい気持ちになりますが、「わからない」とか「ない」と言われてしまうと、一瞬、言葉に詰まります。こんなときは、どのように考え、何と言ってあげたらよいのか。そんなことについてお伝えしたいと思います。
(赤ペン先生 河原)
「ときめき」は子ども時代に繋がっている
お子さまについて考える前に、ご自身のことを少し思い出してみましょう。
今、好きなこと、楽しいと思うこと、魅力を感じること、それらがいつに繋がっているか考えたことがありますか? 私は赤い色、それも同じトーンの深い赤にどうしても惹かれてしまうのですが、それがなぜなのか、あるときふいに思い出しました。私が5~6歳の頃、生まれて初めて「欲しい!」と感じたおままごとセット、それがその赤だったのです。
そんな大昔の「ときめき」に、何十年後の今もなお突き動かされているという驚き!
みなさまの心の中にも、そんな繋がりが幾つも見つかるのではないかと思います。
なりたいものがなくても可能性は育っています
「なりたいものがない」というお子さまの心の中にも、ときめいた数だけ、未来に繋がる可能性がきっと育っています。
「なりたいものがない」と言ってしまうのは、単にその「ときめき」=「ワクワク」が、将来の職業に繋がっていると考えていないだけ。お子さまにとっては「今」が一番大事。目の前のことにワクワクしていれば、それで十分なのでしょう。
大人が「ワクワク」のお手本に
お子さまの「ワクワク」を育てるために、できることが二つあると思います。
一つは、お子さまの「ワクワク」に気づいたら、そっと見守ること。
情報を与えすぎたり、進む方向を教えたりしてしまっては「ワクワク」を育てることになりません。先回りしないように気をつけて、さりげなく応援するのが大切です。
二つ目は、ご自分の「ワクワク」をどんどんお子さまに見せること。
家庭で、仕事上で、趣味で、心躍る物事に出合ったとき、それがどれだけ嬉しく、楽しいことかをぜひお子さまにも共有させてあげましょう。おうちの人がワクワクしている姿に、「大人って大変だけど、楽しそう」と明るい未来を思い描けるのではないかと思います。
まとめ & 実践 TIPS
ワクワクを感じるたび心の中にまかれる、たくさんの可能性の「種」。今お子さまが「好きなこと」「楽しいと思うこと」「嬉しかったこと」は、すべて将来に繋がっています。
その中から、どれを選んで歩んでいくのかは、お子さま自身にしかわかりません。
大人にできるのは、無数の種たちが健やかに芽を出せるように、お子さまの心の土壌を豊かに耕し、たっぷり水をあげること、それだけです。
「なりたいもの」が決まっていないということは、無限の方向性があるということ。
「じゃあ、何にでもなれるね!」と言ってあげましょう。
お子さまの中でどんな芽が顔を出すのか、それもワクワクすることの一つですね!
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