「声優」は子どもたちの憧れの職業! 気になる年収や必要な資格は?
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近年注目されている職業「声優」。子どもたちが大好きなアニメに欠かせない職業でもあり、憧れる人も多いようです。ただ、どうやって声優になればよいのか、資格は必要なのかなど、わからないこともたくさんあるでしょう。そこで今回は、声優という職業についてまとめてみました。気になる給料についても見てみましょう。
声優って、どんなオシゴト?
声だけで演技をする仕事
声優はその名の通り、声を使って演技をする俳優のこと。アニメや洋画の吹き替えだけでなく、ラジオドラマやゲームソフトのキャラクター、ナレーションなど幅広く活躍しています。
キャラクターのイメージに合わせて声だけで演技をしなければならない声優は、高度な技術が求められます。ゲームソフトのキャラクターでは、動作やリアクションなどの細かなセリフも演じなければなりません。1人で何役も演じたり、長時間の収録になったりすることもあり、体力や根気も必要な仕事です。
人気が出れば声優以外の仕事も増える
声優として仕事をするには、オーディションに合格しなければなりません。その代わり、一度演じればそのキャラクターの声優が変わることは基本的になく、アニメや番組が続く限りは同じ役を演じることができます。
特にアニメ業界では、声優は欠かせない存在。そのため、アニメやキャラクターの人気が上がれば、それにともなって声優個人の人気も上がります。なかには、テレビやイベントに出演したり、歌手デビューをしたりする人も。かつては裏方という立場だった声優という職業ですが、近年ではアイドルやタレントのように表舞台に立つことも増えてきています。
声優の働き方って、どんな感じ?
実力主義の世界
基本的に声優の仕事は、オーディションで役を勝ち取らなければもらえません。多くの役をもらって人気が出るまでは、非常に大変な道のりになります。また、1つの役を勝ち取ったとしても、その先が続く保障はありません。仕事を続けていくためには、繰り返しオーディションを受け、自分の実力で仕事を勝ち取りにいく努力と積極性が必要になります。
新人声優は生活が厳しい
オーディションに受からなければ仕事がないため、新人の間は特に大変。アルバイトや副業をしながら生計を立てている人も多いそうです。人気が出て安定した生活を送れるようになるまでは、オーディション、収録、アルバイト、練習を繰り返す生活になるでしょう。忙しいスケジュールに付いていけるよう、体調管理もしっかりと行う必要があります。
収録が長時間に及ぶことも
映像を見ながら声だけで演技をするのが、アニメや洋画の吹き替え。収録は放送局や制作会社のスタジオで行われます。時間は仕事の内容によって異なり、早朝や深夜に行われることもあるそう。長時間にわたることもあり、体力も必要となる仕事です。
声優の給料って、どれくらい?
給料
経験や能力により異なる(30分番組1本の最低出演料は1万5,000円程度)
声優の収入は、経験や人気によって異なります。アニメの場合、新人声優なら1本1万5,000円程度、人気声優なら1本4万5,000円程度が相場となります。さらに人気になって「ノーランク」と呼ばれるところまで来ると、出演料も交渉して決められるようになるそう。もちろんこのランクまで上がることは容易ではなく、多くの新人・中堅声優がアルバイトや副業で生計を立てているのが実情です。
また、ゲームソフトへの出演やナレーションの仕事の場合は単価が高い傾向にあります。
キャラクターによって報酬が変わるわけではない
報酬は、キャラクターによって変化するわけではなく、基本的には「1本いくら」という計算です。ただ、主役に近いキャラクターであれば登場する回数は多くなります。そのぶん知名度は上がるため、次の仕事につながるチャンスとなるでしょう。目先の利益ではなく、長い目で見て仕事を獲得していけるようにすることが大切です。
声優の将来性は?
人気もニーズも高まる仕事
アニメや洋画の吹き替えだけでなく、CMのナレーション、ラジオのパーソナリティなど、活躍の場が広がっている声優。スマホの普及によりゲームやアプリが人気となっており、さらにニーズは高まっています。
声優志望者は多く競争は激化
人気ということは、それだけ志す人も多いということ。声優を目指している人は、日本国内で数万~数十万人いるといわれていますが、実際に活躍しているのは数百~数千人だそうです。
活躍の場が広がっているとはいえ、声優の仕事だけで生活できる人はほんの一握り。中堅声優になってからも安定して仕事をもらえるとは限りません。「やりたいこと」と「生活」の両方をこなしていくためには、アルバイトなどの副業と上手にバランスを取っていく必要があります。
今後はマルチな活躍が期待される
声優の仕事は、裏方だけにとどまりません。タレントやアイドルのような仕事、歌手、舞台俳優など、声と演技力を活かせる場はたくさんあります。アニメ業界だけでなく、もっと広くさまざまな形で活躍できる職業となってきた声優。どんな声優になりたいのか、どんな仕事がしたいのか、自分なりの目標を立てて進んでいけると良いですね。
声優に向いているのはどんなタイプ?適性は?
個性的な声と高い演技力
もっとも大事なのは、声。他の人とは違う個性的な声を持っている人は、声優に向いているといえます。さらに、声だけで感情を表現するための高い演技力も必要です。
そのためには、台本を読みこなす読解力、聞き取りやすく話すテクニック、映像に合わせて演技をする反射神経も求められます。長時間の収録に耐えるために、喉や体調を管理することも重要です。
マルチに活躍できる声以外の能力
声優がタレントとして活躍することも増えてきた現代。生き残っていくためには、ルックスや歌唱力も必要です。もちろん声優という仕事である以上、声に自信があるということは大前提。声で勝負するということは忘れず、自分にしかない強みをさらに探していけると良いのかもしれません。
諦めない強い心
人気もニーズも高まっている声優は、ライバルが多い職業です。一人前の声優として活躍するまでの道のりは、非常に厳しいものになるでしょう。それでも、「声優になりたい」という熱意を持ち続け努力していくことで、道は開けてくるはず。厳しい状況でも諦めない強い心が、声優になるためには必要なのです。
声優になるには、どうすればいいの?
養成所や専門学校に通うのが一般的
声優になるためには、声優養成所や俳優養成所に入ったり、声優養成コースのある専門学校に通ったりするのが一般的です。ここで基礎的な発音や発声方法、演技力などを学びます。芸術系の大学や短大にも声優コースを設けている場合があるため、幅広くチェックしてみると良いでしょう。
オーディションを受けながら仕事を勝ち取る
卒業後は、養成所の紹介で劇団やプロダクション、芸能事務所などに所属することになります。そこでさまざまなオーディションを受け、仕事を獲得していくのです。
また、近年ではマルチな活動を求められることも増えてきています。ダンスや歌などを練習したり、タレント性を身に付けるための勉強をしたりすると、可能性が広がっていくかもしれません。
声優に関連する職業には、どんなものがあるの?
音楽編集者/音楽プロデューサー・ディレクター/俳優/振付師/歌手/カメラマン/漫画家/アニメ監督/音響監督/声優マネージャー/スタジオスタッフ
音楽編集者やアニメ監督、マネージャーなどは、声優をするうえでお世話になる職業です。身近で見ている仕事だからこそ、その重要さや面白さに気付くこともあるのかもしれません。
また、俳優や歌手などは、声優のスキルを活かせる仕事。マルチに活躍していくことを考えている人は、これらの仕事も研究しておくべきでしょう。
まとめ & 実践 TIPS
声優は、声を使って演技をする仕事です。アニメや洋画の吹き替えだけでなく、ゲームのキャラクターを演じたり、ナレーションやラジオパーソナリティを担当したりと、さまざまな場所で活躍しています。近年ではタレントや歌手といった活動も合わせて行うことが多く、マルチな才能を求められている仕事です。
仕事を獲得するためにはオーディションで勝ち残る必要があり、人気声優になるまでの道は非常に険しいもの。「声優になりたい」という強い思いを持ち、努力していく必要があります。個性的な声を持っている人、演技力に自信がある人は、声優を目指してみても良いかもしれませんね。
出典:
マナビジョン「声優」
https://manabi.benesse.ne.jp/shokugaku/job/list/119/index.html?utm_source=kj&utm_medium=banner&utm_campaign=manabi
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