時事問題対策のポイント 白地図と身近なことを使って地理学習 『ジュニアエラ』総監修の早川先生がアドバイス!【中学受験】

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中学入試で出題される時事問題の対策はどのようなことをすればよいのか迷われるかたも多いと思います。今回は社会科の時事問題に対応できる力をつけるために白地図を活用する方法について、「私立中高一貫校進学フェア オンライン」で配信されている文教大学の早川明夫先生の時事問題特別セミナーの内容からご紹介します。

身の回りのものが「どこで作られたか」に着目し、白地図に書き込む

社会科の場合、身の回りにあるさまざまなものが勉強の材料となります。社会科の時事問題に対応する力をつけていくうえで今回おすすめしたいのは、社会科の勉強でよく使われる「白地図」を活用して身の回りのものについて調べる方法です。たとえば、今着ている衣類。これはどこで作られたかわかりますか。タグを見てみると「日本製」と書かれているものもあると思いますが、「中国製」と書かれたものが多いと思います。2020年度の財務省貿易統計によると、日本が最も多く衣類を輸入している国は中国で次がベトナムなのです。

身の回りの文房具、電気製品、パソコン、電卓、さらに果物なども、よく見るとどこで作られたかが書かれています。これらが作られた場所を調べ、世界の白地図に書き込んでみましょう。たとえば衣類が中国製であった場合は、白地図の中国のところに「衣類」と書き込みます。バナナの袋にフィリピンで作られたと書いてあった場合は、フィリピンの場所に「バナナ」と書き込みます。

さらに新聞のスーパーなどの折り込み広告を見ると、「キウイ(ニュージーランド産)」「豚肉(アメリカ産)」「牛肉(オーストラリア産)」といった形で、さまざまな産地を知ることができます。これも白地図に書き込んでみましょう。すると、外国から日本に多くのものが輸入されており、多くの国々とつながっていることがよくわかると思います。

産地の共通点など、発見したことも白地図に書き込む

新聞の折り込み広告には、日本国内の農産物の産地についても書かれています。これも日本の白地図に書き込んでみましょう。すると、「玉ねぎ(北海道産)」「じゃがいも(北海道産)」「かぼちゃ(北海道産)」というふうに「北海道産」が多いことに気づくかもしれません。調べてみると、これらの野菜はいずれも北海道が全国1位の生産量を誇っていることがわかります。

そこからさらに「ほかに北海道が全国1位の生産量のものはないか?」と調べてみると、大根、にんじん、スイートコーン、ブロッコリーといった野菜も北海道が生産量1位であることがわかります。ここでこれらの野菜に共通していることは何か考えてみてください。日持ちするもの、根菜が多いのです。これは、大消費地の東京などから北海道が遠く離れているからだと考えられます。

このように「産地はどこだろう?」「農産物の共通点は?」ということを身の回りのものを素材に問いかけ、発見したことについても白地図に書き込んでみましょう。そうすると、日本国内でもいろいろな都道府県がつながっており、それぞれに特色があることが実感できて、地理の学習内容がより深く理解できるようになります。こうした身近なものに着目し、疑問を持って調べる取り組みが、時事問題の対策にもつながっていきます。

まとめ & 実践 TIPS

社会科の時事問題対策では「白地図」を活用し、身の回りのものがどこで作られたかを調べて書き込んでいく方法がおすすめです。「産地はどこだろう?」と外国からの輸入品、日本国内の産地を調べて白地図に書き込んでいき、さらに「農産物の共通点は?」と問いかけ、発見したことについても書き込みましょう、そうすることで、産地とのつながり、特色が実感できて、地理の学習内容がより深く理解できるようになります。

プロフィール


早川明夫

社会科入試問題研究の第一人者。大学付属中高の教頭を経て、文教大学で社会科の教員養成にあたった。現在、文教大学地域連携センター講師。主な著書に『応用自在』『考える社会科地図』『総合資料日本史』『地図っておもしろい!』(監修・執筆)ほか多数。『ジュニアエラ』の総監修者。

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