四大模試の志願者数で2014年中学入試動向を予測[中学受験合格言コラム]
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四大模試の志願者数で2014年中学入試動向を予測

リーマンショック以降、受験者数は減少し続けていたが、その原因は不況によるものと考えられてきた。その不況も4年以上続くと、受験者数の減少は収束し、その後は横ばいになるというのが、同じ不況の影響があったバブルの崩壊後における受験者数の推移であった。不況が続くにしても、不況が深刻化していかなければ、受験者数はやがて横ばいになるはずで、2012年4月時点では2013年中学入試の受験者数は横ばいになると予想していた。
(詳細については、以前の記事を参照)
模試の志願者数による翌年の入試における受験者数の予測は簡単にできそうだが、実際にやってみると予想と実績で大きな差が出てしまう。
昨年は、<資料1>のように、2012年10月の四大模試を分析した結果、模試志願者数前年対比は97.0%となった。2013年入試で受験者数の減少は考えにくかったが、志願者数から算出した受験者数前年対比予想は94.9%となった。分析結果を信じて受験者数が減少する予想を発表したところ、実際2013年入試の受験者数前年対比実績は97.1%となった。

昨年はデータだけではなく予想方法も十分ではなかったことを考えると、たまたま予想が当たったことも考えられる。まだ、「予測」という言葉を使うには、おこがましいレベルだ。それでも今年は、データを補正し、予想方法も改良して精度を高めた。
2012年・2013年の模試志願者数・前年対比の推移を<資料2>の一覧表にまとめた。2012年も2013年も模試志願者数は9月に多少増加し、10月で減少して、全体としては減少傾向であった。しかし、2013年の前年対比では、7月から10月まで減少し続けている。原因としては、模試の受験者数が減少しているか、生徒一人当たりの志願した学校数が減少したことも考えられる。現時点の分析では、14年入試の受験者数の減少の可能性は大きいと思う。なお、資料1と資料2で志願者数前年対比が異なるのは、志願者数の母集団が異なるためだ。


2013年10月の四大模試志願者数を分析した結果、<資料1>のように志願者数前年対比は93.2%と顕著に減少したことがわかった。さらに、2014年入試受験者数前年対比予想は93.3%となった。2014年入試でこれまで、横ばいになると考えたのはバブルの崩壊時のデータだけではなく、最近の景気は明るさが見えてきたこともある。もちろん、中学入試の準備には少なくとも2年かかるので、景気が回復するのと同時に顕著な増加にはならない。しかし11月の四大模試の速報値もこの10月の数値に近いものになっており、受験者数の減少は起こりそうだ。なかでも大きいのは難関校上位校の2倍台の定着だ。13年入試でも麻布、武蔵、桐朋、桜蔭、鴎友、慶應系列校、早稲田高等学院、攻玉社などは2倍そこそこの低倍率だったが、14年入試でも一部を除いて、より多くの学校で、2倍そこそこの実倍率となるだろう。これまで以上に、過去問研究などでの学校対策の重要性が増している。
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