【小論文書き方講座19】小論文を書く時の具体例を挙げるコツ

自分の体験や知識を深く掘り下げる!

意見は決まったのに、具体例が思いつかずに筆が止まってしまうということは、よくあるお悩みですよね。なぜ具体例が思いつかないのか、まずはその原因を探りながら考えてみましょう。

1つには、「立派な例を書かなければ!」と背伸びをしたり、「自分の体験なんて平凡でつまらない…」と自分の体験を卑下したりしてしまっているのではないでしょうか。
まだ10代の皆さんは、知識も経験も少なくて当然です。立派な例、人と違った例を書こうとするのではなく、自分自身の心に触れた体験や出来事を書いてください。

大事なのは、知識の深さ、経験の数よりも、一つひとつの体験、知識をもとにどれだけ深く物事を考えられるかです。誰もが知っているような例でも、自分なりの視点で分析ができていて、実感がこもったものであれば、十分に説得力のある理由になります。

資料文の内容を自分の言葉に置き換える!

具体例が思いつかないもう1つの原因は、資料文や設問の内容が、自分とはかけ離れていると感じてしまうことにあるのではないでしょうか。どんなに自分と関係ないと思われる文章でも、必ず自分につながる糸口があるものです。

資料文や設問で言われていることは「要するにどういうことか」「自分であればどうするか」などと問いかけて、資料文や設問の内容を自分の言葉で言い換えてみましょう。抽象的な内容でも、自分の言葉で言い換えることで、具体的な事例が探しやすくなります。

それができたら、「空間軸×時間軸」で考えてみます。つまり、自分の体験から身の回り(家族や友人、学校)、さらに社会(日本、世界)へと少しずつ視野を広げながら、関連する事例を洗い出していき(=空間軸)、同時に、過去→現在→未来にも目を向けていく(=時間軸)ということです。

はじめは、あまり考えすぎずに、とにかく思いついたことをたくさん挙げていくのがポイントです。自分自身の体験や、本や新聞、ニュースで見聞きしたことの中から、必ず関連する事例が見つかるはずです。

個性が光る具体例を出す!

具体例を挙げるステップは、押さえられましたか? ここで、もう一歩リードするために個性の光る具体例について紹介します。

入試の採点をする先生は、実に多くの小論文に目を通します。それらの中でキラリと光る、ひいては合格につながる小論文を書くために、具体例で自分の個性をアピールする方法もあります。

下の図の②に当てはまる「採点者は知らない。自分だけが知っている」具体例を探して、意見と理由につなげる文章を書いてみましょう。

説得力のある小論文を書くうえで、具体例は欠かせません。ここで紹介した方法で、自分の個性が光る具体例を見つけてください!

文/進研ゼミ高校講座 受験情報担当 伊藤

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プロフィール



1969年以降、50年以上にわたり自宅学習用教材として多くの高校生に愛用されている通信教育。
高校別の授業・テスト対策教材や約200大学、9万問の入試分析から生まれた志望大レベル別プランが特徴。
着実に基礎力の積み上げができるテキスト教材、記述力を引き上げる赤ペン先生指導の添削課題、学校の予習復習や暗記の効率化に役立つアプリも魅力。

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