[中学受験]この夏休みにすべきこと(5年生以上編)~子どもの「幼さ」と向き合う~

この夏こそ、受験勉強に本腰を入れなければいけないのに、なかなか勉強に身が入らない……今回はそんなお子さまにおすすめの学習法についてお話しします。

少人数での「お泊り」勉強会がおすすめ

なんとなく入試が自分ごとと思えず、お父さま、お母さまに言われたから勉強しているような、精神的に幼いお子さまは多いかと思います。そういうお子さまの場合、進度が速く、厳しいタイプの塾はあまり向いていません。理解があいまいなまま授業が進んでしまい、苦手が増えて、自信を失ってしまっているケースが多いんですね。

このような場合、夏休みのおすすめは合宿スタイルの勉強です。
できれば、子どものお兄さんやお姉さんのような感覚で、優しく教えてくれる個人指導の先生を頼み、仲の良いお友だちを4,5人誘って、レジャーも兼ねて泊りがけで勉強するといいですね。家族に近い感覚の先生であれば、遠慮なく質問もしやすいし、時間をかけてゆっくり教えてもらうことができます。
一人ではなく、友だちと一緒に勉強することで、ちょっとした競争意識も生まれますし、自分と友だちの得意や苦手、考え方の違いにも気づくことができます。一緒に食事をし、お風呂に入り、布団を並べて寝るというのはわくわくするものですし、楽しい思い出とともに学習内容も記憶に残りやすくなるでしょう。予算やスケジュールが許すなら、自然観察などの体験学習とセットで楽しむとよいですね。

特に6年生の場合、そんな時間はない! と思われるかもしれませんが、学習意欲が上がっていない場合は、気晴らしを兼ねて思い切って取り入れてみてはいかがでしょうか。

自力で解きたくなる、パズルやクイズを利用

学習には、「自分で解けた!」という手ごたえや快感がとても大切です。どちらかというと、女の子より男の子のほうが、謎解き欲求や「自分には絶対解ける」という根拠のない自信が強い傾向があるようです。「なんとか自力で解きたい」という気持ちを刺激してくれるようなパズルやクイズ形式の問題は、特に男の子に有効です。おおいに利用してください。
また、精神的に幼い子は国語が苦手な傾向があります。問題文に何が書いてあるかがそもそもよく理解できないためです。ただし、語彙が豊富であれば、徐々に読む力はついてきます。語彙力をつけるには、漢字パズルなど、謎解きの要素のあるものが有効です。

夏休みの体験が表現力につながる

作文など、言葉で表現するのが苦手なお子さまも多いと思いますが、そういうお子さまこそ、机の上でただ「書く」練習をさせるより、様々なところへ連れて行って体験学習をさせるほうがよいでしょう。考えたことや気持ちなど、形のないものを伝えるのは大人でも難しいものですが、「したこと」だけなら比較的簡単に書けます。体験が面白ければ、「したこと」「見たこと」「聞いたこと」などを次々に書いていくだけで生き生きとした文章になります。面白い体験をさせれば、表現力も上がるのです。子どもは五感で感じることが得意ですから、五感をのびのびと解放できる自然の中へ連れて行ってあげるとよいですね。
面白いことにしかやる気が起きないのは「幼さ」ともいえますが、それは子どものもつ大きな長所です。お子さまの幼さを否定せず、おおいに利用しながら、夏休みの学習をサポートしてあげてください。

(筆者:森上展安)

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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