つまずきはじめる小学校中学年の算数 「教える」以外にも、親ができることがある

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中学年になると小数や分数も習いはじめ、おうちのかたも教えるのが難しくなってきて、どのように関わっていけばよいか悩みますよね。お子さまがつまずいているとき、「教える」以外の理解につながる効果的なアドバイスができるとよいですね。

(赤ペン先生 吉田)

この記事のポイント

文章問題でつまずいている場合

「赤ペン生の問題」でも、おうちのかたから「文章問題が苦手で困っています。」という相談を受けることがあります。そのようなとき、いつもお伝えしているのは次の3点です。

  • ・問題文を声に出して読む。(最低2回)
  • ・図に表す。
  • ・大事なところ(数字や何を求めるのかを示しているところなど)に線をひきながら読む。

これらと並行して、文章問題に取り組みやすくするために、問題文の人物や物などをお子さまが興味をもっているものに置き換えて、場面をイメージしやすくするとよいと思います。読みたい文章かどうかで、取り組む意欲がちがってきます。また、文章問題でミスをしがちな「単位」や「四則記号の使いまちがい」などを最後に確かめるように促すとよいでしょう。

「小数・分数」でつまずいている場合

小数・分数は、身近な生活にない数の概念のように思えますが、実は、生活の中で、無意識のうちに使っているものです。身長130.5㎝、体重32.5㎏、丸いケーキを4人で分けるとき、「四等分しよう。」などと、自然に言っているはずです。まずは、小数も分数も身近にあるものだという認識をもたせるのがよいと思います。とは言え、文章問題となると、簡単な数字に置き換えて考えたほうがわかりやすい場合もあるので、解き方がわかってから、元の小数・分数に戻すと考えやすくなります。

計算力を身につける

何と言っても計算は算数の基礎ですので、日頃から計算練習を繰り返し行うことをお勧めします。「計算は得意!」と言えるようになるまで力を引き出すと、問題に積極的に取り組めるようになります。また、計算は、どこでまちがえているかが後でわかるように余白を十分にとってノートに書くとよいと思います。
計算ミスが多いお子さまは、暗算に頼らず筆算をするとよいです。「赤ペン先生の問題」でも、式は合っているのに暗算をして答えがちがっているケースが多いです。とても残念に思います。計算のあとを残しておくと、たとえまちがえていたとしても、後で確認できるので、次のミスを防ぐこともできます。

まとめ & 実践 TIPS

私は、小学生のとき、同じ高さの跳び箱で、横向きにした開脚跳びはできたのですが、縦向きにするとどうしても跳べませんでした。理由は、跳び損なって、おしりを打ってしまったことがあるからでした。縦向きにすると、またぶつけるかも知れないという恐怖心が生まれ、「跳べない」という気持ちが跳べなくしていました。
跳び箱に限らず、何でも「できる・できない」は同じだと思います。「できない」と思ってしまったら、その時点で何もできなくなります。「できる」ようになるためには、もちろん、地道な努力は必要ですが、「うちの子ならできる!」と心から信頼して、お子さまに接してみてください。お子さまが努力を始めたら、ほんの少しの努力でも認めてほめてください。その積み重ねがきっと、お子さまの「できる!」という自信につながるはずです。

吉田かさね

赤ペン先生 吉田かさね

赤ペン先生歴26年。3年生担当
高校生のとき、進研ゼミを受講していて、赤ペン先生の文字の美しさ、丁寧さ、優しさにふれ、自分もこんなふうにできたらいいなと思い、赤ペンの道へ。日々「『赤ペン』って楽しい!」「次もがんばろう!」と思えるような声かけ・指導を心がけている。
また、続けることで、力がついたと実感でき、自信をもってもらえることが一番の励み。
趣味:読書・舞台鑑賞
自己紹介:ケセラセラ(なるようになる!)
一男一女の母。

プロフィール



赤ペン先生は「進研ゼミ」の選考に合格し、ゼミ独自の研修・教育を通じて、教科の学習内容やお子さまの力を伸ばす指導法などを学んだ人です。 お子さま一人ひとりの解答状況や学習の到達度に合わせて、丁寧に添削・指導いたします。 ※「赤ペン先生」は(株)ベネッセコーポレーションの登録商標です。

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