【小論文書き方講座7】読み手に伝わる小論文を書くためには?

小論文は「意見」と「理由」で成り立つ文章・・・ということは、もう何回もお伝えしましたね。「私は、~と考える。」という意見を述べ、「なぜなら、~だからだ。」という理由(論拠)を、読み手にわかりやすいように筋道立てて説明することが大切です。この「意見」と「理由(論拠)」をしっかりと読み手に伝えるための重要なポイントは、段落構成を整えることです!

段落構成を整えることがポイント!

段落とは、いくつかのセンテンス(文)の集まりが、そのまま内容的なまとまりを持っているものを言います。1つの段落は、1つの内容でまとめなくてはなりません。さらに、段落の中も論文の構成と同じく、「問い→答え」という内容で、一貫して無駄なくまとめられていることが望ましいです。
段落の数は、どのくらいがいいのでしょう? 
小論文の基本構成が「序論・本論・結論」だから、「3段落でいいんだな…」というのは間違いです。
段落の数を決める時は、まず「解答字数の中で論じきれる内容はいくつか?」を考えることが大切です。一段落一内容の鉄則からすると、極端に長い段落や、極端に短い段落は要注意! 同じことが繰り返されていたり、あえて置く必要のない段落であったりすることが多いので、整理する必要があります。
段落と段落はブツブツと細切れに並べるのではなく、論理的にスムーズにつながっていなければなりません。ここで、段落と段落をスムーズに配置するコツを紹介します。

1.全体に方向性を持たせる
過去→現在、現在→過去、特殊→一般、一般→特殊など、時間的な順序や重要度などで、論全体に方向付けをするとよいです。また、具体例やデータについて述べている段落を並べて配列するなど、同類の段落を固めたり、対比して配列したりすると流れがスムーズになります。

2.前の段落の言葉を次の段落の冒頭が受けるようにする
例えば、前の段落が「~にはこういう欠点がある」という文章で終わったとすると、次の段落は「もう一つ考えなければならない欠点は…」など、前の段落の言葉を受けるような始まり方にします。さらに次の段落では、「以上の問題点を総合すると…」のようにつなげていくと、段落の内容やつながりが明確になります。

3.つなぎの言葉を段落の頭に置く
次に表に挙げるような、前の段落との関係を表す言葉を段落の冒頭に置く。

こうした言葉を置くことによって、その段落の役割がはっきりして、論の展開も明確に示すことができます。
書き終えたら、必ず推敲しよう!
頑張って書き上げた小論文も、誤字脱字があったり、意見と理由のちょっとしたズレがあったりしたら、それだけで減点の対象に…。そんな失敗に陥らないためにも、書いた後で必ず推敲して、完璧な小論文に仕上げましょう!
推敲とは、自分で自分の文章の不備を見つけ出し、改める自己治療のことです。では、どんな観点で推敲すればよいのか、そのチェックポイントを紹介します。

◆ 序論の問いと結論の答えは呼応しているか
推敲の第一は、序論で提起した問い(論点)と結論で打ち出した答え(意見)がきちんと呼応しているかどうかのチェックです。ただし、それは設問要求を満たす内容になっていることが前提です。

◆ 序論の問いと結論の答えは呼応しているか
推敲の第一は、序論で提起した問い(論点)と結論で打ち出した答え(意見)がきちんと呼応しているかどうかのチェックです。ただし、それは設問要求を満たす内容になっていることが前提です。

◆ 各段落は一つの内容でまとまっているか
推敲の第二は、それぞれの段落が一つの内容でまとまっているかのチェックです。段落それぞれに一貫性・統一性があり、何を言いたいのがわかる一文が明示されていればOKです。

◆ 各段落は論理的につながっているか
推敲の第三は、各段落の論理展開のチェックです。段落の内容は構成を考えた時に整理しているので、それぞれの段落は論理的につながりを持っているはずです。

◆ 意見と理由が論理的につながっているか
推敲の第四は、本論に書かれた分析・理由が、最終的な意見(結論)を裏づける内容になっているかどうかの確認です。本論がすっぽり抜け落ちていたり、本論と結論がつながっていないと、その小論文全体に説得力がなくなってしまうので、注意しましょう。

以上、4つのポイントを踏まえて、設問要求を満たし、採点者を納得させられる結論を打ち出せているかどうかをチェックするような習慣をつけておきましょう。

文/進研ゼミ大学受験講座 受験情報担当 伊藤

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