模擬試験の上手な役立て方(2)合格可能性判定の役立て方 [高校受験]



■成績の推移をつかむ

模試は、できるだけ同じものを何度か受けて、成績の推移を見ることが大切です。模試の結果は、中学校の三者面談や、私立高校の学校説明会後の個別入試相談でも役立ちますから、2学期の間に2回以上は受けておくとよいでしょう。
成績が右肩上がりになっていれば、より難しい高校に挑戦する選択肢も見えてきますし、下がっているなら、同じ高校の志望者がかなり勉強し始めているため、相対的に順位が下位に落ちていることがわかります。



■成績に波があるのは当たり前

ただし、前の日に寝不足だったとか、隣の席の人が気になってしまうなど、ちょっとしたことで集中力はそがれます。保護者のかたは、成績には波があるのは当たり前だと考えて、毎回の結果に一喜一憂せず、どっしり構えることが大切です。
なお、実際に受験校を決定する際は、その「波」の幅を参考に考えましょう。調子がよい時なら可能性のある学校と、調子が悪い時でも確実に入れる学校と、差を付けて受験校を選べば安心です。



■志望校欄をどう書くか

最初の模試の成績表が返ってきたら、次回の模試でどの学校を書いて判定してもらうか、ぜひ親子で相談してください。志望校は5、6校書くことができますので、1校か2校は、お子さまが無理なく入れるような、難易度の低い学校も入れておきましょう。合格可能性80%といった数字を見れば、お子さまの中に「間違いなく行ける学校はあるんだ」という安心感が生まれます。

その他の学校は、入試のスタイルの異なるところを入れ込むと、お子さまにとってはどういう学校が有利かがわかってきます。公立なら調査書と学力検査の比率が学校によって違いますし、一部の難関校は独自問題を採用しています。難易度の高い独自問題のほうが得点できる子も、基礎学力はあるけれど応用は苦手で標準問題のほうが得意な子もいます。また、私立でも、記述や応用問題の配点が高い学校、基礎に重点を置く学校などそれぞれ特色があります。入試スタイルの異なる学校を判定してもらうことで、どこが自分の学力特性に合っているかがはっきり見えてくるんですね。



■志望校の難易度は下げなくてよい

たとえば「合格可能性20%」といった数字を見ると不安になり、志望校の難易度を下げたほうがいいのではないかと考えるのは当然かと思います。しかし、お子さまが本当に行きたがっている学校であれば、志望校は変えるべきではありません。併願校をより確実なところにしておけばよいのです。特に秋口の段階では、これから本気になって勉強すると本番までに20%が50%に上がる可能性もありますから、強気の選択でかまいません。

早い段階で難易度を下げてしまうと、本人の中に「まあこの辺でいいや」「ここならたいして勉強しなくてもどうせ受かる」という気持ちが生まれてしまい、努力不足で結局不合格といった状況にもなりかねません。ご本人が「変えたい」というなら別ですが、保護者のかたが先に慎重になって「難易度を下げたら」ということは言わないほうがいいでしょう。保護者のかたは少し強気で、どーんと構えていたほうが、お子さまのやる気は落ちないと思います。



■いかに「自分の受験」という意識を持たせるか

志望校最終決定までに、非常に大切なのは、親子が何でも言いたいことを言える関係をつくっておくことです。模試が返ってきた時も、保護者のかたは「ここは苦手みたいだけど、どう対策したらいいと思う?」「受験校は来月もこのままで行く?」というふうに、本人の意見をなるべく聞くように持っていってください。成績表のファイリングなども、なるべく本人に任せましょう。そうすることで、お子さまの中にも「自分はどこの高校に行きたいか」「そのためにはどうすべきか」という自覚が芽生えてきます。お子さまが志望校選択や受験について自分の意見を言いにくい状態、保護者依存の状態が続いていると、お子さまにとって不本意な受験になりかねません。

「自分の志望校選択を、親も応援してくれている」と感じていれば、学習への集中も増します。模試の結果を見て親子で話し合うことは、本人の受験への意識を高めるためにも、大切な機会といえるでしょう。


プロフィール

安田理

安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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