「偏差値」の賢い役立て方[高校受験]
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模擬試験などで合格可能性のめやすとして使われる「偏差値」。
今回は、偏差値を進路選択や受験勉強にどのように役立てたらいいかについてお話しします。
「偏差値」はその学校の価値ではない
高校受験案内などに記載されている合格予想偏差値は、進路選択の参考にはなりますが、その学校の教育の中身とは関係ありません。
まずはご本人の興味・関心と適性、それに合った教育を行っている学校を選ぶことが大切です。
たとえば、県のトップ校のA校と、理数系に力を入れているB校の場合、合格予想偏差値はB校のほうが低いかもしれませんが、お子さまにとってどちらがよいかはご本人の適性しだいです。理数系が好きで得意なお子さまであれば、B校のほうが向いているのは間違いありません。また、特進コース、専門コースなど、カリキュラムが分かれている場合、コースによって偏差値がかなり異なることにも注意が必要です。
志望校決定の決め手は、あくまでも教育の中身。その後、そこまでの距離をはかる参考値が「偏差値」なのです。
内申点との関連に注目!
公立高校の入試の合否は、調査書(内申書)と学力試験の成績で決まります。模試で算出される偏差値は、学力試験でどのくらい得点が取れるかのめやすとなります。内申点がこのくらい取れているなら、偏差値はどのくらいのスコアが必要……というふうに偏差値は単体でなく、内申点との関連で見るとよいですね。
内申点は、中三2学期までの学校の成績で決定しますが、偏差値は入試直前までの頑張りで押し上げることも可能です。
「教科別」の偏差値に注目!
模試の成績が思わしくない場合、「どうしてこんなに悪いの」「こんな偏差値じゃ志望校は無理だね」などと、お子さまに感情のままに言葉をぶつけてしまいたくなることもあるかもしれません。しかし、総合的な偏差値だけを見て一喜一憂するのは、あまりよいことではありません。
模試の偏差値は、教科別にも示されていますので、どの教科に力を入れるべきかを冷静に判断しましょう。偏差値60の教科を上げるより、40の教科を上げるほうがずっとやさしいものです。苦手教科の偏差値を押し上げることで、合格可能性そのものが大きく変わってきます。
また、成績表には単元別、問題形式別など、答案の詳しい分析が記載されているケースがほとんどです。お子さまと一緒に成績表を見ながら、どの教科のどの単元、どんな問題形式に時間を割くべきか話し合ってみるとよいですね。
今後の学習で、偏差値は大きく変わる
中3生の大部分は、夏休みまでは部活や趣味に打ち込んでいて、あまり勉強していないケースが多いようです。模試の成績は、入試直前までの努力しだいで大きく変わります。偏差値がずっと低くても本番で逆転するケースも、逆に高い数値で安定していても合格できないケースもあります。
どの教科の数値がどのように変動しているかに注目すると同時に、志望校までの距離をはかる客観的なデータとして、偏差値を役立ててください。
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