「合格できたらもうけもの」 特待生受験はそのくらいの心構えで
秋の「進路希望調査」では、中学3年生の75%から80%が公立高校を第1志望に挙げる。家庭の経済事情で、公立でなければ進学させられない、公立しか受験しないというケースもあるようだ。避けられない進学費用の問題について、安田教育研究所の安田理氏が助言する。
***
●学費補助金制度を調べよう
近年、国の「就学支援金」に加え、都道府県独自の補助が充実してきました。「私立高等学校等生徒学費補助金」と呼ばれるもので、世帯の所得額に応じて補助が加算される制度です。ただしこれは、都道府県内の私立高校に進学した場合に限るとしているところもあれば、そうでない場合もあります。お住まいの都道府県ではどうなのか、調べてみてください。
●「特待生制度」をねらう
私立高校の「特待生制度」は、「うちにくれば授業料を免除します」という特典です。少しでも学力の高い生徒に入学してもらうためのものです。特待生になれれば公立に進学した場合と学費はほとんど変わらなくなるので、大きなメリットがあります。
「特待生制度」の中身は学校によって違いますが、大きくは次の3種類です。
「入学金(+施設費)」+「1年間の授業料」の免除
「入学金(+施設費)」+「3年間の授業料」すべて免除
これらを、入学試験の成績によって差をつけるシステムにしている学校が増えています。
特待生でなければ私立には進学させられない場合、子どもにそのことをハッキリ話したほうがいいと思います。本人も保護者も、「特待生で合格できたら“もうけもの”」くらいのつもりで受けるのがいいでしょう。特待生で合格して、その後も常に成績良好、学年が進んでもそのまま特待生でいられれば問題はありません。しかし、特待生でなくなったら退学させるしかないというような状態での進学は、子どもにとってプレッシャーになるのでやめたほうがいいでしょう。