中学受験 新5年生は思考力を育てる「体験」をと専門家
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中学受験で増えつつある、教科横断的な総合問題や記述問題。こうした問題に取り組むために必要な「思考力」を身に付けるためには、どのような学習をすればよいのだろうか。今回は新5年生を持つ家庭で心がけたいポイントを、中学受験のプロ、森上教育研究所の森上展安氏に伺った。
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2015年度の中学入試では、複数の教科にまたがる総合問題や、出題されたテーマについて自分の考えを述べる記述問題が増えている傾向がはっきりと見られました。たとえば世界遺産に登録された富岡製糸場に関する社会の問題で、蚕に関する理科的な知識が問われるなど、特に難関校でその傾向が強まっています。柔軟な思考力が、ますます求められるようになってきているのです。
思考力は、机に向かっているだけではなかなか身に付きません。柔軟な思考力や発想力を育てるために、いちばん効果的なのが「体験」です。知らない港町を訪れた場合、そこでとれる魚を見たり、食べたりできますし、港湾施設に興味を持つ子どももいるでしょう。五感が刺激され、さまざまな視点を持つきっかけになります。出かける暇を惜しんで勉強させるより、「おでかけ」をしたほうが、ずっと勉強になるのです。5年生の長期休暇や週末には、博物館、動物園、劇場、海や野山など、さまざまなところに連れて行ってあげましょう。ただ、帰宅後にレポートを書かせるなどするのは逆効果。保護者自身も息抜きのつもりで、おでかけを楽しんでください。
また、親戚や知人に協力を仰いだ「プレゼント&お手紙作戦」も効果的です。たとえば、おじさんから劇場への招待状が届くとします。観劇後にお礼状を書かせると、子どもは感動を伝えるために工夫するので自然に文章がうまくなります。おでかけにしろ、お手紙作戦にしろ、まずは子どもの気持ちが動くことが大切。「好き」とか「おもしろい」といった気持ちの先に、好奇心や探究心、表現の工夫が生まれるのです。
出典:思考力の下地をつくる[中学受験 5年生] -ベネッセ教育情報サイト
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