「文系」「理系」どちらに進む? 選択のポイントを専門家がアドバイス
多くの高校1年生にとって、受験や将来の進路にも大きく関わる「文理選択」の時期がやってきた。文系と理系のどちらに進むべきなのか、最終決定前に確認しておきたいポイントについて、ベネッセ教育総合研究所の村山和生氏に聞いた。
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自分はこの先、どんなことを学んでみたいのか、そのためには文系・理系、どちらに進むのがよいのか–高校1年生の段階でそれを見極めるのは難しいことです。さまざまな学部・学科の情報を調べれば調べるほど、「どの学問も重要そうだし、おもしろそう」「自分は何に興味があるのかわからない」などと悩んでしまうかもしれません。そんな時、おすすめなのが平日のキャンパス見学です。
興味のある大学・学部のオープンキャンパスに行った経験があるかたも多いことでしょう。しかし、オープンキャンパスは、いわば大学の「よそゆき」の顔。あえてこの時期、平日に訪れて、ふだんの雰囲気を見てくるのです。その場で主体的に学んでいる自分の姿をイメージできるかどうかが、文理選択の重要な決め手になります。
たとえば理系の大学・学部ならば、オープンキャンパスの際には設備の整った研究施設を紹介されたかもしれません。そこで実際に先進的な研究が行われているなら、施設はつねに利用されて活気があるはずです。施設は立派でも、平日の昼間なのにあまり学生が来ていないようなところは要注意です。
文系の場合も、学生がいかに真剣に研究に臨んでいるかがポイント。熱心に討論したり、課題に取り組んだりしている先輩の姿を見ることで、イメージもつかめてきますし、「自分もこんな場で学びたい」とはっきり思えれば、その実感が文理選択の決め手につながります。
文理選択において最も重要なのは、自分の興味・関心です。自分の適性を総合的に判断し、自分の学習スタイルを見直して、悔いのない選択を行ってください。英語や国語も「得意」な人と「苦手」な人の差が大きくなっていますが、これはコミュニケーションや表現に重点が置かれるようになったためと考えられます。読む・書く・話す・聞く力はいずれも演習次第で身に付きますし、文系理系を問わず重要ですから「英・国が苦手だから理系」という短絡的な発想はやめましょう。
出典:文系? 理系? 後悔しない文理選択のポイント -ベネッセ教育情報サイト