「ああしなさい」や「とにかくダメ!」はNG!お子さまの想像力を育むために大切にしたいこと
お子さまの豊かな想像力に驚いた経験はありませんか?抽象的な形のものを動物などに見立てたり、おたまひとつで歌手になりきったり、広い原っぱが大海原になったり…。おとなになると失いがちなみずみずしい感性を、できることなら失わずに育ってほしいと思いますよね。
また、豊かな想像力をもつことで、他人の考えや行動を理解し、思いやることができる人間に育つというメリットや、社会に出てから自分の求められている役割を正しく理解できるというメリットがあります。
そこで今回は、お子さまの想像力を育むために大切なことを考えてみましょう。
想像力がないとどうなる?
想像力というのは、自分以外の人の気持ちを理解し、思いやるために必要です。例えば、「いじめられている友だちは、ひとりぼっちでどんな気持ちだろう」と考えることができなければ、いじめの加害者になってしまう可能性があります。
また、この先の未来に何が起こるのかを想像できなければ、自分の頭で考えて行動したり、危険を察知して自分の身を守ったりすることも困難になります。特別な危機的状況に限らず、日常生活や仕事などで「自分にどんな役割が求められているか」を察知し正しく理解するためには、想像力が重要になります。
想像力とは、他人の気持ちを理解し円滑な人間関係を築くためにも、変化の激しい時代において自分の役割をしっかりと果たすためにも、非常に重要な力なのです。
「遊び」がお子さまの想像力を育てる!
お子さまは、他でもない「遊び」を通じて想像力を育みます。例えば、抽象的な形のブロックからお城などを作り出す積み木や、働くパパや赤ちゃんを育てるママになりきるおままごとは、想像力を働かせないとできません。
特におままごとやごっこ遊びなどは、「自分がどんな役割を演じなければならないか」「相手からどんな役割を求められているか」を考えなければなりません。そのため、想像力を育む遊びとしては、うってつけと言えるでしょう。
他には、お話をしてあげたり、本を読み聞かせてあげたりすることも効果的でしょう。頭の中で、お話や本の世界をイメージする能力が育まれます。また、お話や読み聞かせをする中で、「このとき、主人公はなんでびっくりしたんだろうね?」「○○ちゃんだったら、こんなときどうする?」など、問いかけて、考えさせることもおすすめです。登場人物の気持ちを考えたり、自分ならどうするか悩んだりすることが、豊かな想像力につながります。
お子さまの想像を妨げず、自分で考える機会を与えてあげることが大切
お子さまには大きく想像力が伸びる可能性がありますが、ときには保護者のかたの言動によって、その可能性が奪われてしまうことがあります。
お子さまの遊びには、危険なことをしない限り口出ししないことを原則としましょう。お絵描きのとき空を真っ赤に塗っていても、おもちゃの使い方を誤っていても、訂正しない方が自由な想像の妨げになりません。
保護者のかたに「ああしなさい」「これは間違っている」とこまかく口出しをされては、お子さまはそこから外れた考えや想像をしてはいけないと感じ、「自分で考え、想像し、理解する」という習慣がもてなくなってしまう可能性があります。
遊びに関することだけでなく、しつけたり叱ったりする場面でも、言い方に気を付けましょう。「とにかくダメ!」「これはダメだと決まっているの!」といった叱り方をするのではなく、「なぜしてはいけないか」を考えさせることが重要です。
例えば、「人の物を勝手に使ってはいけないよ」と教える際に、「勝手にとられたり使われたりしたら、持ち主の人はいやな気持ちや悲しい気持ちになるよね?」と想像させてみましょう。さらに、「じゃあ、何てお願いしたら使わせてもらえるかな?」など質問してみてもよいでしょう。自分の行動が相手にどう思われ、周りにどんな影響を与えるのかということについて、考える機会を与えてあげることが大切です。