保護者ができる「過去問」サポートとは? 後半戦のメインテーマ「過去問」の取り組み方[高校受験]

■「過去問」の取り組み 大切なポイント

「過去問」に取り組むうえで意識していただきたい4つのポイントを挙げておきます。


(1) 入試問題に慣れること
(2) 自分の学力の強み・弱みを知ること
(3) 自分の学力とその学校の「過去問」との相性を知ること
(4) 解く時間や点数は気にしないこと


「過去問」の取り組みも、最初のうちは保護者のかたがかかわって、クイズ形式で進めてもいいでしょう。どうしても意思疎通がうまくいかない受験時期に、親子の会話が増えることになるので、その点からもおすすめです。

(3)の「過去問」との「相性」ですが、「過去問」をやってみると、特別やりづらい学校が見つかることがあります。他校の「過去問」ではそのようなことがないという場合は、「過去問」との相性を検討する必要がありそうです。
いくら行きたい学校だとしても、出題傾向や難易レベルが本人の学力と大きくかけ離れていては、準備に時間ばかりかかってしまいます。

「過去問」の1回目が終わったら、4つのポイントについての感想をお子さま本人から聞き、ご家庭で話し合うといいでしょう。
2回目からは、解く時間を計ってみます。時間を意識する訓練を加えるのです。そのあと、3回目はスピードを上げて、4回目は、入試時間に合わせて本番のつもりで全教科まとめて取り組む、というのが本命校の代表的な「過去問」対策となります。

秋から入試本番まで、受験生は超多忙な日々を送ります。受験校数、志望順位、「過去問」計画表の進行具合などを、そのつど親子でよく話し合いながら、限られた時間の中で、柔軟に取り組んでください。



■「過去問」の答え合わせこそ実力を伸ばすチャンス

「過去問」を解いたあとの答え合わせは、どうしたらよいでしょうか?
答え合わせは、お子さまに任せっ放しにしないで、できれば保護者のかたが一緒に見てあげるのがベストです。この時、点数がどれくらい取れたかが気になりますが、もっと大切な注意を払うべきことがあります。

字が乱雑でないか、採点者から見て「カタカナの“ク”と“ケ”の判別ができない」ということがないか、「数学の“0”と“6”の判別がつき難い」ということがないか、「誤字・脱字に注意し、漢字のとめ・はね・はらいを正確に」書いているか、また設問の取り違えなどケアレスミスをしていないかにも注意を払ってください。こうしたことは、本人は気付かないものです。保護者のかたが答え合わせをしながらアドバイスをして、早いうちに直してあげたいものです。

また、できなかった問題はやりっ放しにしないで、可能なら保護者のかたも一緒に解答・解説を読んで、理解へのサポートをしてあげると、驚くほど実力が伸びていきます。


プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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