自由研究で育まれるお子さまの5つの力
夏休みの長期休暇などに課題として出される自由研究は、お子さまだけでなく保護者も頭を悩ませることが多いかもしれません。しかし自由研究は、お子さまが大きく成長する要素をたくさんもっています。自由研究というひとつの難関をクリアする中で、お子さまはどのような力を身につけられるのでしょうか。
今回の記事では、自由研究で育まれるお子さまの力について主なものを5つご紹介します。
【1】21世紀に必要な力、主体的な問題解決能力
与えられた課題を受動的に解決するのではなく、自分で問題を考えて解決する主体的問題解決能力が身につきます。日常生活で疑問に思ったことをテーマ=課題として自ら設定したうえで、課題を解決するための観察や実験といった方法を自分で考え、仮説を立てて検証して、問題を解決に導く学習方法は「探求型学習」とも呼ばれています。
探求型学習は21世紀に必要なスキルを身につける学習方法として注目を集めています。
【2】大人になっても役立つ!レポートをまとめるスキル
自由研究ではレポートなどの記録を残しておくことが大切です。レポートを1冊書き上げる中で、お子さまは文章や図による構成力や表現力を身につけられます。
レポートは学校で書く作文より長文になるかもしれません。理科や社会のレポートの文章は国語の作文とは異なる文体ですし、図や表を用いるところもレポートの特色です。ふだん学校ではなかなか習えない表現の仕方を学べるでしょう。
また、レポートをまとめる力は、中学校や高校はもちろん、大学になったり社会人になっても役立ちます。小学生のうちに身につけておけばしっかりと定着することが期待できますよね。
【3】研究対象をさまざまな角度から見る洞察力
実験対象や観察対象をさまざまな視点から見る洞察力が身につきます。
例えば「葉っぱの葉脈はどうしてこのような形をしているのだろう。もし形が違ったらどうなるのだろう」など、日常の小さなことからも課題を発見できる力が鍛えられます。
また、研究内容によっては途中で視点を変えなければ解決策が見えないこともあるでしょう。問題をさまざまな角度から見て解決に導く力が身につきます。
こうした洞察力は社会人になって仕事で問題に直面したときにも、観察眼や発想力として役立つことでしょう。
【4】自ら進んで勉強するようになる自由な知的好奇心
自分の好きなことを好きなだけ研究できるという経験は、お子さまの自由な知的好奇心を育みます。「植物の観察っておもしろいな」「街の歴史って興味深いな」などという感情は、やがて「もっとこのことを勉強してみたい!」という勉強への興味につながります。
勉強がおもしろいと思えるようになれば、自由研究だけでなく、日常の勉強についても自分で主体的に取り組めるようになるでしょう。
【5】かけがえのない達成感と自信
自由研究が終わり、レポートが完成したときには、ひとつの大きなことをやり遂げたというかけがえのない達成感が得られます。「問題を解決した」「長文のレポートをまとめ上げた」という達成感は、スポーツなどで得られる達成感とはまた違ったものになるでしょう。
自分でひとつのことをやり遂げた経験は自信につながります。自信がつけば、自由研究以外のほかの勉強も楽しく取り組めるようになるかもしれません。
お子さまを大きく成長させる自由研究
休暇の長い時間をかけてやり遂げた自由研究は、お子さまを大きく成長させます。保護者はその成長の過程をじっくり見届けてあげることが大切です。
そして、研究を達成したときにはしっかりとほめてあげましょう。お子さまのさらなる成長が後押しされるはずですよ。