「漠然とした将来の不安はなくならない」 受験生の母、学資保険満期の心境を語る
先日、45歳の誕生日を迎えたマンガ家のおぐらなおみ氏。来年に大学受験を控えた18歳の長女の学資保険も満期となった彼女が、その心境を語る。
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いよいよムスメの学資保険が満期になりました。ムスメが生まれた時に契約したので、18年間保険料を払い続けていたのですね。当時のワタクシは27歳。にじゅうななさい……とんでもなく大昔のような気がします。しかし、子どもが生まれたばかりで不安で仕方がなく、カツカツの生活費の中から学資保険代を捻出(ねんしゅつ)した27歳の自分の気持ちは、ありありと思い出せます。本当に、不安で仕方がなかったのです。
この保険料を払い終えるころには、子どもは相当大人になっており、子育ての不安もまったくなく、そりゃもう余裕アリアリの人生に違いない、とタカをくくっておりました。実際、オムツもはずれましたし、自転車にも乗れるようになりました。おなかがすけば冷凍ご飯をあっためて、ふりかけでもかけて食べてくれることを思えば、なんと成長したことか! と、むせび泣きたいくらいですが(当時、本当に育児が大変だったので)、まあやはり「漠然とした将来の不安」というのはなくならないものですね。
私の誕生日プレゼントにモノではなく「数字(偏差値)」が欲しい、なんて娘に言ったのはほとんど冗談ですが、それにしても、18年前はそんな冗談が浮かぶということさえ想像できませんでした。ただ健康に育ってほしい、としか考えていなかった毎日から、私は成長したのか強欲になったのか。
来年の誕生日には、無事大学生になったムスメに祝ってもらいましょう。もしかしたら大学生になったばかりで忙しく、母の誕生日なんて忘れてるかもしれないな。それはそれで、祝われるよりもむしろ相当幸せなことであると、母は思うのであります。