受験校決めから学費まで 第4回 学費についてもいま一度確認[高校合格言コラム]

学費についてもいま一度確認

 前回は、私立高校でのコース選択についてお話ししました。今回は、学費についてお話しします。

●私立と公立の学費の開き 高校で2.5倍に拡大
 文部科学省が平成26年の初め、平成24年度の「子供の学習費調査」の結果を公表しました。調査対象は、公立ならびに私立の幼稚園、小学校、中学校、高校(全日制)の幼児・児童・生徒ですが、ここでは高校の主だった点に絞って見ていくことにしましょう。

・「学習費総額」が前回調査より公立は減少、私立は増加
 表(1)が「学習費総額」です。「学習費総額」が公立で約38万6千円(前回約39万3千円)、私立で約96万7千円(前回92万3千円)。前回と比べて公立が約7千円の減少、私立は約4万4千円増加しています。公立も私立も「学校教育費」の比率が高いことがわかります。公立高校と私立高校の「学習費総額」の開きは、2.5倍(前回2.4倍)となり拡大しました。



・「学校教育費」で高いのは、公立が「通学関係費」、私立が「授業料」
 さらに「学校教育費」について支出構成を見ていくと(表2)、公立の「学校教育費」約23万1千円(前回約23万8千円)のうち、最も高いのは「通学関係費」で、次が「学校納付金等」。公立高校の「学校教育費」は前回に比べて約7千円減っています。私立の「学校教育費」約72万2千円(前回約68万5千円)の内訳では、「授業料」が最も高く、ほぼ近い額で「学校納付金等」が続いています。私立高校の「学校教育費」は前回に比べて約3万7千円増加しました。



・「学校外活動費」は「学習塾費」の支出がいちばん多い
 「学校外活動費」についても内訳を見ていきましょう。「学校外活動費」は「補助学習費」と「その他の学校外活動費」の合計で示されますが(表3)、「補助学習費」のほうのウエートが重くなっています。その「補助学習費」をさらに細分化して、「家庭内学習費」「家庭教師費等」「学習塾費」「その他」の内訳でも支出を示したのが表4です。なお、「その他の学校外活動費」とは、体験活動やピアノ、水泳、習字などの習い事のための支出。「家庭内学習費」とは、家庭での学習に使用する物品・図書の購入費です。

 「補助学習費」の中では「学習塾費」がいちばん多く、公立で約8万2千円、私立で12万4千円を支出しています。公立のほうが予備校に通っているイメージがありますが、私立のほうが公立より「学習塾費」が多くなっています。「学習塾費」の次に多いのが「家庭内学習費」で、そのあとに「家庭教師費等」が続いています。



・世帯の年間収入が増加すると補助学習費も増加する
 表5は、世帯の年間収入別に見た「補助学習費」です。「補助学習費」は、年間収入が増加すると、おおむね増加する傾向があります。



 以上のようにひと口に学費といってもさまざまです。ついパンフレットに記載してある学納金だけを意識しがちですが(パンフレットに記載してある学納金も、高校によって範囲がかなり異なっています)、今のうちに学納金以外の費用についても十分検討してください。


プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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