保護者が重視する学校情報の情報源は? その4[中学受験]

保護者アンケートでは、ほとんどの「保護者が重視する学校情報の情報源1位」はどの志望校ランクでも、ほぼ同じ数値になっていた。今回は、「保護者が重視する学校情報の情報源1位」について、一方の学校の先生方がそれをどう予想しているかについて、各学校難易度でどのような特徴や傾向があるかを分析する。また、学校種別でも、どのような違いがあるかを分析してみた。

【図1 保護者が重視している学校情報の情報源1位の予想(学校アンケート:ランク別)】
※四谷大塚の「2008年度合不合判定テスト(第3回)80偏差値一覧」の偏差値を参考に、60以上、50~60未満、50未満、その他とした(学校数の関係で、3段階で分析)。
図1 保護者が重視している学校情報の情報源1位の予想(学校アンケート:ランク別)
※百分比(%)は小数第1位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある。

図1は学校が「重視されている」と予想する1位だけを偏差値でわけた難易度カテゴリごとに集計したものである。難易度ごとで見ると、「6.学校説明会」と予想したのは偏差値50~60未満が56%と高く、偏差値50未満が37%で、19%の差がある。「1.塾の先生」は、偏差値60以上で数値が多少低いが、どの難易度カテゴリでもほぼ同じとなっている。

各難易度カテゴリでの割合については、偏差値60以上が「8.学校のホームページ」で、偏差値50~60未満が「6.学校説明会」で、偏差値50未満が「4.志望校在籍者・OB/OGの父母・本人」で高い特徴が見える。
保護者の志望校難易度別では、「保護者が重視する学校情報の情報源1位」のバリエーションも多く、どの難易度でもほぼ同じ割合であった。それに対し、学校が予想する「保護者が重視する学校情報の情報源1位」は、「6.学校説明会」と「1.塾の先生」に二極化され、難易度に上記のような特徴が出ている。志望する保護者には志望難易度ごとの特徴はないが、志望される学校にはあることが面白い。

【図2 保護者が重視している学校情報の情報源1位の予想(学校アンケート:学校種別)】
図2 保護者が重視している学校情報の情報源1位の予想(学校アンケート:学校種別)

図2は、今度は同様のことを志望校の学校種別で集計したものである。男子校の先生は「5.情報誌」「7.学校見学」を、女子校の先生は「6.学校説明会」を、共学校の先生は「1.塾の先生」「4.志望校在籍者・OB/OGの父母・本人」「8.学校のホームページ」を、「保護者が重視する学校情報の情報源1位」として予想する割合が高い特徴が見られる。学校は難易度別でも特徴はあったが、やはり学校種別でも明確に特徴が出ている。

前々回で述べたように、保護者が実際に重視しているのは「6.学校説明会」や「7.学校見学」だが、それ以外の情報源を「保護者が重視する学校情報の情報源1位」と予想した学校が、偏差値60以上と偏差値50未満に多く、学校種別では男子校と共学校に多いことがわかる。
ということは、保護者が重視する学校情報の情報源では、偏差値50~60未満の女子校が最も保護者の動向を捉えていることになる。入口のこの様態は恐らく中身も同様である可能性がありそうだ。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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