子どもの問題は誰のせい? 学校に責任を求める保護者が増加中
「今、日本全体がいろいろな場面で責任を押し付け合う、『他責社会』になっているように思います」という安田教育研究所の安田理氏。子どもに「自分のほうに問題がある」ことをちゃんと意識させなければ、社会人として通用しない人間になってしまうような危惧を覚えるという。詳しく伺った。
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成績の不振から、中高一貫校で外部の高校へ転出する保護者が学校に言ってきたという内容にはビックリしました。「先生が、提出物が出ていないと言って、たびたび注意するので、子どもが学校を休むようになった、やる気をなくした」–私からすればごく当然の指導と思うことを、この保護者のかたは、子どもが学校を休むようになった原因だとしているのです。
2、3年前までは、「なんでもっと早く先生が注意してくれなかったのですか」ということを言ってくる保護者のほうが多かったと思います。10年前だったら、子どもが提出物を出していなかったら、保護者のほうが監督不行き届きで謝ったものです。
高校に進んだら進んだで、つらいことや、困難なことにぶつかることもたくさんあると思います。そうした時に、それらを学校、先生など「他者の責任」にするのではなく、自分自身の責任としっかり受け止めさせてください。保護者としてぜひそう振る舞っていただきたいものです。