単純記憶や山はりではたち打ちできない! センター試験に向け、高1・高2生が今からやるべきこととは?
昨年に続き、今年も特に国語で大きな波乱があったセンター試験。「山を張ることや丸暗記ではもはやたち打ちできない」と話すベネッセ教育総合研究所の村山和生氏が、高1・高2生が今、備えておくべきことをアドバイスする。
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教科書中心に幅広い知識を問われたことで、特定の分野に山を張っていたり、苦手な分野があったりした受験生は、非常に苦戦を強いられた今年のセンター試験。Aに対してBという単純記憶だけではNG。どの教科でも、知識をその前後の関係性の中でどう理解しているかなど、より本質的な力が問われるようになっています。さまざまな素材に触れ、資料を読み、回答解説や別解を読み込み、自分が今まで気づかなかったようなアプローチや解き方がないか振り返る。これらをしっかり行うことが、今の高1・高2生が受けるセンターでの得点につながると思います。
今年のセンター試験の結果を受けてこれから対策を立てようと思っても、今、いきなり問題を解いても自信をなくすだけです。何しろ高3の受験生が解いて平均点があれほど低い問題なのですから、解けなくて当たり前です。それよりまずは、この1年間にやった小テストや中間考査、期末考査を、年度末のこの機会にもう一度見直すことです。新しい学年に進級する前に振り返りをすることで、どの教科をしっかりやるべきか、その目標立てにも役立つと思います。
その時にぜひやってほ欲しいのは、解答・解説や別解を読み込むことです。そして、解答・解説が付いているものは、正解・不正解に関わらず全て読むこと。正解した問題でも、実は別のアプローチがあることを発見できますし、何より読むだけで復習になります。「○が付いているからOK」ではなく、解くのに時間がかかった問題などは、教科担任の先生をつかまえて、もっと速く解く方法がないか質問してみるとよいでしょう。
今の高1・高2生は教科書で扱う量が増え、授業のスピードも上がっているので、家でやらなければいけない課題の量も増えているはずです。そのため、宿題や課題の対応に追われ、復習の時間が取れていない人も多いことでしょう。少なくとも、定期考査ごとにしっかりと時間をとって復習する、という意識を必ず持つようにしてください。