共学化した学校はなぜ人気? 中学受験の専門家が最近の入試トレンドを分析

共学化した学校はなぜ人気? 中学受験の専門家が最近の入試トレンドを分析中学入試において、人気校はなぜ人気校なのか、それは受験生にとって真に望む学校なのか。その観点から、近年の入試において最大のトレンドである「共学化人気」について、森上教育研究所を主宰する森上展安氏が独自の視点で分析、検証する。

 

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共学化した結果、どれだけ人気が出たのかを分析したところ、
2009年の受験者数を100%とした2013年の受験者数増減率は、共学化した学校の平均が104%と、首都圏全体の平均(約80%)に比べると高い数値になっています。特に、リーマンショック後に共学化した学校の受験者数増減率は220%と高くなっています。リーマンショック前に共学化した学校の受験者数増減率は平均で約80%と、首都圏全体の平均と同じでした。

 

このように比較してみると、リーマンショック前/後で共学化した学校では、極端な人気の差があるように見えますが、共学化直前の受験者数と比較してみると、そうでもなさそうです。2013年入試の受験者数を、共学化前年の受験者数で割ったも数で見てみると、共学化した学校の平均が181%と、大幅に増加したことがわかりますが、リーマンショック前/後では、それぞれ180%/185%でほとんど変わりません。共学化前年と比べると2013年入試の受験者数は全体的に増えており、リーマンショック前/後で人気に差が出ているのではないといえます。

 

実際に受験者数を増やしているのは、16校中11校。そのうちの6校は200%以上増で、マーケットを2倍以上にした人気校といえます。そのような共学校では、共学化しただけではなく、校名変更、校舎新築、カリキュラム改革などを事業課題として位置付けていることが共通しており、二の矢、三の矢ともいえる教育改革を打ち出しているのが特徴です。

 

共学化すれば受験者数が増える、人気が出るということで、今後も共学化する学校は増えると予測できます。共学化人気校は、教育改革が伴うものかどうかの見極めが欠かせないといえるでしょう。

 

出典:共学化「人気」を検証する[中学受験] -ベネッセ教育情報サイト

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