めまぐるしく変化する高校事情 調査書の評定はどんな比率で付けられているのだろうか?[高校受験]
■調査書の評定はどんな比率で付けられているのだろうか?
今回は入試に必須の「調査書」について説明します。
「通知表を見る限りでは、うちの子はけっこういい成績を取ってきているけれど、全体の中ではどうなのかしら?」「絶対評価に変わってから、5や4はどのくらいの人数に付けられているの?」と、気になっている保護者のかたが大勢いらっしゃると思います。
このほど、東京都教育委員会が、平成25年度入試に使用した都内公立中学校第3学年の評定状況の調査結果を発表したので、それを見てみましょう。
● 前年度の調査結果と比較してみると
・「5」の評定の割合は、すべての教科において0.1~1.5ポイントの減少である。
・「4」の評定の割合は、外国語(英語)が0.5ポイント、理科が0.2ポイントそれぞれ微減、社会、数学、美術は増減なしであるが、その他の教科は0.1~0.2ポイントの微増である。
・「3」の評定の割合は、すべての教科において1.0~1.5ポイントの増加である。
・「2」の評定の割合は、外国語(英語)は増減なしであるが、その他の教科では0.2~0.8ポイントの減少である。
・「1」の評定の割合は、すべての教科において0.2~0.5ポイントの微減である。
・9教科全体の評定の割合は、「3」が1.3ポイントの増加、「4」は増減なしであるが、他の評定は0.4~0.5ポイントの微減である。
絶対評価になってしばらくは、中学校の先生の「教え子が少しでも有利になってもらいたい」という心理から年々甘くなっていました(1、2を付ける数が減り、5、4を付ける人数が増加)。それがここへきて、どこの都道府県でも若干抑え気味になってきています。
今回の調査結果を見ても、すべての教科で5を付けた人数は減っています。ただ一方で、1や2を付ける人数も減ってきているので、必ずしも辛(から)めの評定になったわけではありません。4と3への集中化が進んでいるといえます。
相対評価時代は、5は7%、4は24%、3は38%、2は24%、1は7%に付けることが原則でしたから、その時代と比べるとまだ大幅に5、4方向にシフトしています。したがって、通知表の成績がそのまま調査書の成績になるわけではありませんが、お子さまの成績のとらえ方としては、3が真ん中という捉え方ではなく、3.5くらいで真ん中くらいの成績ととらえてちょうどいいと思ってください。