めまぐるしく変化する高校事情 多様な学科・コースが生まれている[高校受験]
■多様な学科・コースが生まれている
今回は新しく登場した学科についてご説明します。
〇専門学科
以前は高校卒業段階で就職する人が多数派だったので、職業科という名称でした。
職業科の中には、「商業科」「工業科」「農業科」「水産科」「家庭(家政)科」などの学科がありましたが、こうした学科で学んでも就職する生徒ばかりではなくなったので、専門学科という名称に変わっています。
また、学科も「理数科」「英語科」「国際学科」という普通科に近いものから、「科学技術科」「美術科」「音楽科」「体育科」「福祉科」「産業科」「ビジネスコミュニケーション科」などに至るまで細分化され、多種多様な学科が出現しています。
地域によっては、いかにもその土地らしい学科が設置されています。たとえば、岩手県の種市高校には海洋開発科(潜水士も養成)が、奈良県の法隆寺国際高校には歴史文化科が、滋賀県の信楽高校にはセラミック科があるといった具合です。
また、普通科には通学区域を設けることになっていたために、学区を越えて優秀な生徒を集めようと、普通科高校があえて専門学科を設置するケースもあります。京都府立堀川高校の人間探求科・自然探求科、京都府立嵯峨野高校の京都こすもす科、京都市立西京高校のエンタープライジング科、兵庫県立神戸高校の総合理学科などはそうした一例です。
〇総合学科
15歳ではなかなか進路を決められないために、普通科目から専門性の高い科目まで幅広くそろっている普通科と、専門学科の性格を併せ持つ総合学科も生まれています。多種多様な選択科目の中から、自分の興味・関心や進路希望に応じて選択し、自分の時間割をつくって学習できるのが大きな特色です。
1年次に「産業社会と人間」などの科目を学び、2年次から系列(設置されている系列は設置母体となった高校の学科をベースにしていることが多い)を中心に学習するようになっています。以下がその例です。
●A高校 「メディア・ネットワーク」「ビジネス・コミュニケーション」「工業・デザイン」「伝統文化・工芸」「スポーツ・健康」
●B高校 「生命・自然」「食品・健康」「環境・資源」「生活・福祉」「文科・理科」
なお、総合学科は、すべて単位制です。