1年間の目標と実践課題を定める [中学受験 5年生]

保護者の役割は、成長に応じてベストのタイミングで働きかけ、環境を整えていくこと。5年生の目標と実践課題について取り上げます。




1年間の目標と実践課題を定める [中学受験 5年生]


■目標となる志望校出身の「先輩」を見つける

目標は「学校」より、子どもが感情移入して、憧れるような「人物」に置くといいんですね。5年生になったら、できれば志望校の先輩で、具体的な人物を見つけてモデルケースとしてください。その先輩は、5年生の頃どんなことができたのか。あるいは、全然勉強なんかできなかったけれど、何かのきっかけで急成長したといったエピソードもあるかもしれません。具体的な「人」は自分と比べる尺度になりますし、目指すべき「お手本」とも、ライバルとも意識でき、勉強への意欲を高めるのに役立ちます。



■5年生の重要実践課題は「できる」 基礎テクニックの積み上げ

5年生では、問題を解くためのテクニックを学んで、着実に「できる」ようになることを目指してください。
たとえば算数なら、文章問題を線分図や面積図に置き換えて考える手法を身に付けること。面積、立体など、単元ごとに、よく出る典型的な問題の解き方を着実に体得させてください。
国語なら、指示語の指す内容の読み取り、接続語の使い方。また、「30字でまとめなさい」といった記述問題の取り組み方。まずは30字程度で書くことに慣れておくと、指定字数が増えた場合や自由記述の問題にも対応できるようになります。

理科・社会は、表やグラフの問題がよく出るので、ぜひ慣れておきたいですね。ポイントはどこの数値に特徴があるかをつかみ、その特徴が表れた理由は何か類推することです。表やグラフの問題を得意にするためには、自分で作ってみるといいですね。たとえば、おこづかいの貯金額の上下とか。月ごとの額は棒グラフ、使い道の内訳は円グラフ、去年との比較は折れ線グラフにするとひと目でわかるといったことが、作ってみると実感できます。

テクニックを身に付けるうえで大切なのは、頭の中だけで考えずに、できるだけ「手を動かす」ことです。また、自分が理解したことを人に説明する「ショウ&テル」という方法も非常に役立ちます。



■テクニックを磨いて「点を取る」楽しさを知る

テクニックを磨くと、テストで着実に点が取れるようになります。「できる」という実感は、学ぶうえでとても大切です。「できた!」「マル!」という喜びをたくさん味わわせて、点取りゲームに乗せてあげることが、5年生の1学期には非常に大切です。

5年生の後半になると、解くために2つ以上のテクニックが必要となったり、単元融合の問題が増えてきたりします。それまでに、できるだけ1つひとつの基礎テクニックを積み上げておいてください。マスターできなかった問題はマークしておいて「在庫」として積み上げ、できるだけ夏休み中までにクリアしましょう。


プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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