時計の針が進まない! 我が子の合格発表の日のことを保護者が語る
入試を終えればあとは合格発表を待つのみだ。しかし、幼かった我が子の成長や、受験生活での努力を知っているからこそ、保護者だって本人同様に落ち着かないものだ。マンガ家のおぐらなおみ氏が、まんじりともせず結果を待った発表当日の心中について語ってくれた。
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ムスメが第1志望の高校の推薦入試を受けられることになったとき
正直なところ私は悩みました。
狭き門の上、小論文と面接という「点数の出ないものでの評価」の対策を
どうしたらいいのか、という漠然とした不安があったからです。
さらにもし、結果が振るわなかった際、次に受ける一般入試に向けて
再度モチベーションを保ち続けることは可能なのであろうか? とも思いました。
親の目から見たら子どもはいつでも頼りなく保護するべき存在です。
15歳になった今でも、ふにゃふにゃと泣いていた赤ん坊だったころのことが
ありありと浮かび、むしろ今でも中身はあのままであるかのように考えてしまうのです。
「それでも」とムスメは主張します。
「第1志望を2回受けられるのならそうしたい、チャンスを逃したくない」と。
合格発表は放課後、校長先生から直接ムスメに伝えられるということだったので
私は自宅でまんじりともせず待っておりました。
(当然仕事なんかできず、部屋のあちこちを行ったり来たり。やれることといったら
時計を眺めることくらいでしたが針の進むのが遅いこと遅いこと。)
どうぞよい結果でありますように、よい結果というのは合格ということですが
いや、もしも合格でなくてもムスメが傷つきませんように、というか
傷ついてもいいんですが、いや、本当はよくないんですが、せめて前向きな
気持ちになれるような方向に進みますように、でも本当は合格がいいのは
知ってますので、どうかひとつ……ああまだ10分しか経ってない……。
なんてことをずーーーーーーーーっと考えておりました。
4時になってムスメが帰ってきました。
その顔を見た瞬間、私も涙でムスメが見られない。
がんばった。本当によくがんばったね。
夜遅くまで勉強をしていた姿、難しい問題を理解したときの晴れがましい顔、
第一志望は変えられないと強く主張した声、芳しくない模試の結果に泣いた夜……
どれもこれも、今日の結果を導くために必要なことだったのかもしれないと思う。
……というわけで……
4月からムスメは念願だった第1志望の高校に入学できることになりました。