採点者にケチをつけられない答案は「本文の表現」を使って書くことが原則
意味はあっているが、模範解答とは違う答えを書く子どもを、どのように指導すればよいだろうか。大ざっぱな性格の小6男子を持つ母親からの悩みに、平山入試研究所の小泉浩明氏が答える。
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【質問】
内容は理解できているようですが、問題の模範解答とは違う書き方をすることが多いです。自分の感じた言葉のままに書くので問題文にない表現になっているのだと思います。内容が違わない場合はどのように指導すればよいですか?(小6男子の母親)
【小泉氏からのアドバイス】
記述問題の答案を書く場合、「本文の表現」を使って書くのが原則です。問題文の筆者は、より適切な表現を使って文章を書くプロ。子どもが、自分では適切に言い換えたつもりでも、違った意味になる場合があります。採点者にケチをつけられて減点の理由を与えてしまう可能性が高くなるのです。合格点をとれる答案をいつでも作れるようにすることが大切です。
表現を変えようとしない場合は、「意味が違ってきている」箇所を見つけて、減点されることや、言い換えがいかに難しいかを納得させてください。実際に減点された時に説得するほうが効果的かもしれません。自分の不利益になることが理解できれば、少しずつでもなおしていくと思います。
基本的に、「模範解答の表現」は「本文の表現」を生かしたものになっているはずです。これをお手本にしてください。ただし、「模範解答の表現」と「本文の表現」がかなり違っていて、しかも「お子さまの表現」のほうが「本文の表現」に沿ったものである場合は、「お子さまの表現」でよしとしたほうがよいでしょう。模範解答を目標にするのは大切ですが、「本文の表現」に沿った答案作りが何といっても原則です。