キンコン西野さんはどんな両親に育てられたの? 『映画 えんとつ町のプペル』大ヒット! 「子どもの自立に必要なことって?」

『映画 えんとつ町のプペル』が大ヒット上映中。原作・製作総指揮・脚本を手がけるお笑いコンビ「キングコング」西野亮廣さんに、どんな子ども時代だったのか、そして子どもの自立を見守る親に必要なことをお聞きしました。

この記事のポイント

『映画 えんとつ町のプぺル』が面白いと評判です。原作・製作総指揮・脚本を手がけた「キングコング」西野亮廣さんは、公開直後から「ドブ板営業」として全国行脚の日々を送る努力の人でもあります。いっときは日本中からそっぽをむかれながらも「ディズニーを超える」「エンタメで世界を獲る」と宣言して独自の道を切り拓き、今では着実に夢へと近づいている感のある西野さん。これからの子どもたちに必要な力をお聞きした前半に続き、後半では子ども時代のご両親とのエピソードや、大きな夢を持つ子どもを送り出す親にとって必要なことについてお聞きしました。

いろんなものを見た子ども時代

──独学で絵本作家となり、オンラインサロンなどビジネス面でも新しい手法をいち早く採り入れる西野さんは、どんな子ども時代を過ごしていたのでしょう。

西野 そんなに裕福な家じゃないんですけど、子どもの頃のことを聞いてみたら、母ちゃんは「色んなところに連れていった」って言ってました。電車に乗って遠くに行くとかじゃないのですが、近所の公園とか山とか、とにかく色んなものを見せてもらったみたいです。

ザリガニ釣りとかセミ獲りとか、走ってくる電車をただ見るとか。エンタメは結構たくさんありました。それに対して制限をかけられたことはなくて、「あれ見たい」って言ったらすぐ連れて行ってくれました。あんまり子どもの頃の記憶はないんですけど、その辺はなんとなく覚えてます。あと、褒められました。絵うまいねとか。工作うまいねとか。

──『映画 えんとつ町のプペル』では、ローラ(主人公ルビッチの母親)が心配しながらも、息子を信じて送り出す姿が印象的でした。西野さんのご両親はどうでしたか?

西野 うちもそうでした。あんまりガミガミ言われなかったですね。ひとつ、すごくよく覚えてるエピソードがあるんですけど…

家の前に軽石で落書きして、アスファルトにウンチとかいっぱい書いてたら、近所の人が怒鳴り込んできたことがあったんです。公道だったので、「そんなことしちゃダメだろ」って。それで、玄関で父ちゃんと母ちゃんが謝ってくれて、謝り終わって、あとで自分も怒られるのかなと思ったら全然怒られなくて。父ちゃんが翌日、コピー用紙を大量に持ってきて「お前そんなに何か描きたいんだったらこっちに描けよ」って渡してくれて、好きなだけ描かせてくれたんです。

「描きたい」ってことに対してブレーキはかけずに、「やり方をちょっとだけ変えさせる」っていう舵取りというか、そういうエネルギーの流し方をしてくれましたね。

「世界を獲ろう」はひとりじゃ無理

──ブレーキをかけられなかったのですね。『えんとつ町のプペル』のルビッチの夢には、町のルールが立ちふさがります。今、困難に負けずに柔軟に対応していく「レジリエンス力」や「やり抜く力」が注目されています。西野さんはコロナ禍での映画公開でも次々に打ち手を出されていて、まさに「レジリエンス力」や「やり抜く力」をお持ちだと思います。どうやって身につけることができたのでしょう?

西野 どうなんだろう。生まれ持ったものじゃないのは確かで、先天的なものではないですね。やっぱり、一人じゃないっていう、みんなを背負ってるっていうことが大きいかもしれないです。逆境のとき、例えば映画公開のタイミングでコロナが来たときに、自分が白旗をあげちゃうと、食いっぱぐれてしまうスタッフさんが何百人もいるので。

ご家族を持たれてる方には釈迦に説法ですが、やっぱり背負ったほうが強くなりますよね。面倒も多いと思いますが、粘りも生まれますね。

──周りの人の存在や責任が西野さんを強くしているのですね。西野さんは大勢の人を巻き込んで活動されていますが「人と一緒にやった方がいろんなことができる」みたいなことに気づいたきっかけはなんですか?

西野 シンプルに、「世界を獲ろう」って考えたときに一人では無理だからですね。時間や物量の勝負というか…、例えばディズニーは24時間のうちに世界中でものすごい量のエンタメを生み出してますよね。一方で、僕が24時間まるまる使ったところで「一人が24時間で作れる何か」しか作れない。それを1000人とか1万人とかでやるとその分のなにかしらエンタメが生まれるわけで。つまり僕が今こうやって取材を受けてる間、「別のスタッフが何かを生み出している」という状態を作っておかないと、世界は獲れない。

でも、僕はそうだったっていうだけで、それぞれの人が目指すゴールによるかもしれません。例えば「田舎の山奥で蕎麦屋をやりたいんです」っていう人は別に人を大勢巻き込まなきゃいけないこともないでしょうし。僕の場合は、一人だけでは絶対に辿り着けない目標だったということですね。

──クラウドファンディングや、スタッフを入れての絵本製作も話題になりました。西野さんの場合は、人と協力することにブレがない印象です。

西野 最初は、一人のほうが楽なんですよ。いちいち指示出してやってもらうより、自分の方が上手かったり、自分が描いたほうが早かったりするので。だけど全部自分でやっちゃうといつまでたっても後続が育たないので、どこかで折り合いつけましたね。それこそ『えんとつ町のプペル』かもしれないです。絵本『えんとつ町のプペル』を作る時に初めて絵本を分業制にしたので。

全力で助ける準備をして送り出す

──「世界を獲る」ってすごく大きな夢ですよね。『映画えんとつ町のプペル』にも、夢を信じるルビッチと、空気を読んで現実を受け入れようとする子どもが登場しますね。どうしたら、そういう大きな目標を目指せるのかが気になるんですが…。

西野 そもそも問題がないと、解こうとしないじゃないですか。まず問題を用意するっていうことが重要で、しかも解ける問題だけやってると「解く力」も落ちちゃう。

自分に世界を獲る能力があるから「世界を獲る」と言ってるわけじゃないので、まず「世界を獲る」って言っちゃうと、もう問題だらけ。「何から解決しないといけないんだっけ?」「解決するためには何が必要なんだっけ?」っていう。そういう途方もない問題を解くのが面白いですね。

例えば、『映画 えんとつ町のプペル』でいうと、最低でも120万人は動員しないといけないんですよ。そういうのって興奮するじゃないですか(笑)。120万人っていうことは、チケットの手売りじゃ絶対追いつかないわけですから、なにか手を打たなきゃいけない。で、問題がある以上は、起きてる間ずっと考えてるので、そうすると色んなことをインプットするし、むちゃくちゃ勉強する。それが面白いですね。

他の人がどうなのかわからないですが、僕は勉強が好きなんです。知らないことを知るっていうのが圧倒的に好きで。問題を設定してトライ&エラーを繰り返す、そういう仮説検証が楽しいですね。

──ワクワクします。『映画 えんとつ町のプペル』では、ルビッチの成長と自立が描かれていて父親は行き先を指し示す人、母親は送り出す人、という役だと聞きました。子どもには自立した人間になって欲しいと思いながら、具体的にはどうすれば良いのか迷う保護者も多いと思います。西野さんは、子どもの自立を見守るために大人がすべきことってなんだと思いますか?

西野 僕は親になったことがないので、親の立場からは言えないんですが、ただ近しいところでいうと、若手を育てているんですね。親御さんから大学生のお子さんを預かってうちの会社でインターン生とか社員として育てるっていうことをやっているんです。例えば1年目の若手に「エッフェル塔の個展の責任者やれ」って、挑戦させることがあって。基本的には任せるんですけど、死にかけた時には「全力で助けられる知識と準備」をして送り出します。要は、ほんとにコケかけた時にサッと助けて致命傷は避けるっていう、そのスタンバイはしてますね。

──送り出しつつも放置ではなく、フォローはできるよう準備しておく。

そうですね。最後の最後までフォローはしないですけどね。大きい勝負をさせるときは、大ゴケするか、する寸前にパッと入って助けるスタンバイはしてました。僕ひとりだけではなくて、例えば大学生に大きいことやらせる時は、大人たちのチームで「あいつがこれでコケた時はこの手を打ちましょう」っていう会議をしてますね、本人たちは知らないけど。じゃないと「行ってこい」って言えないですからね。

── 一人前に育てるには、守りながらも全力を出させることが大切ということですね。

テレビでひな壇を辞める宣言やクラウドファンディング開始の時に日本中からバッシングされた西野さん。「エンタメで世界を獲る」という夢は笑われていました。
公開中の『映画 えんとつ町のプペル』は、現在40か国からオファーが来ているそうです。夢を信じて実現させていく大人が創った、夢を信じぬく映画をお子様と一緒に観てみるのも、お子様の成長に良いかもしれません。

インタビュー前編はこちら
キンコン西野さんに聞く「これからの子どもに必要な力とは?」

『映画 えんとつ町のプペル』

「1.空を見上げてはいけない」「2.夢を信じてはいけない」「3.真実を知ってはいけない」
この3つのルールを持つ「えんとつ町」が舞台。星がない町で星の存在を信じる少年ルビッチと、ゴミから生まれたゴミ人間プペルの冒険のお話が、映画になりました。原作は世界を魅了した絵本『えんとつ町のプペル』。原作者であるキングコング西野亮廣が自ら製作総指揮・脚本を担当。アニメーション制作はSTUDIO4℃、窪田正孝(プペル)、芦田愛奈(ルビッチ)ほか豪華キャストも集結。そこには主人公を信じて見守る親の姿も。「信じぬくことはできる?」「笑われても見上げることはできる?」もう一歩踏み出したい、すべての人へ贈る物語です。

公式サイト https://poupelle.com/

西野亮廣/にしの あきひろ

1980年兵庫県生まれ。芸人・絵本作家。お笑いコンビ「キングコング」として活躍するも、「活動の軸足をテレビから抜く」と決意。独学で絵を学び、2009年に絵本作家「にしのあきひろ」として『Dr.インクの星空キネマ』を発表した。
絵本『Zip&Candy ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』『えんとつ町のプペル』のほか、小説『グッド・コマーシャル』、ビジネス書『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新・魔法のコンパス』など著書、ベストセラー多数。
累計63万部の大ヒット絵本『えんとつ町のプペル』を原作とする『映画 えんとつ町のプペル』では脚本・制作総指揮を自ら務める。クラウドファンディングでの合計調達額は4億円を突破。有料オンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」は会員数7万人を超え、国内最大。株式会社NISHINOのCCO(Chief Creative Officer)のほか、芸能活動の枠を越えてさまざまなビジネス、表現活動を展開中。

撮影/奥本昭久 執筆/樋口かおる

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