漫画家 ギリギリになって「受験生の親」自覚、塾の二者面談で涙
『子育てレインボウ』『育児バビデブー』『働きママン1年生』などの著者であるマンガ家&イラストレーターのおぐらなおみさんが、初めて「受験生の親」となった、長女の高校受験時のエピソードを明かす。
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実は、「受験生の親」を自覚したのはかなり遅くて、中3の秋を過ぎてからです。もともと、「子どもの受験に親がやきもきしても、何も変わらない」と思っていたので、中3の1年間、「わたしは、子どもの受験には関わらない」と心に決めていました。なので、最初はほとんど子どもの受験に口出ししませんでしたね。まわりのママたちから「受験で気が重いわね」なんて話されても、その気持ちが全然わからなくて。今だから言いますが、「受験なう。」の連載がスタートした時は、まだ「受験生の親」の自覚も何もないころです(笑)。
でもそんななか、秋に中学校で親子参加の「高校説明会」があったんです。そこで、高校の先生がのんびりしている子どもたちに向かってはっぱをかけたんですが、これが、わたしにも予想外にヒットしてしまって。突如、「受験生の親」であることを自覚したんです。ショックでしたね。「わたし、今まで何してたんだろう……」と。そんなことがあったもので、責められてもいないのに秋の終わりごろ、塾の二者面談では、先生の前で泣いてしまいました。
親が「受験生の親」の自覚がないなかでも、子どもは中3の春から着々と「受験生」になっていましたね。志望校は、小学生からあこがれていた近所の公立高校に早い段階から決めていました。夏休みには、友達と何校か学校見学に行っていましたが、見学に行くとだいぶモチベーションが上がっていましたね。特に第1志望の公立高校を見学したときは、好きな先輩に会って……、女の先輩ですけど(笑)、制服姿がすっごくかっこよかったらしく。そんな素敵な先輩から、「良い学校だよ、おいでよ」なんて誘われて、すっかり舞い上がっちゃって。「この高校に、絶対入学する!」と決意を固めてました。
学校見学は、わたしは行かずに終わってしまったんですが、今思えば行けば良かったです。通わない高校こそ、ほかにどんな高校があるのかを知る良い機会だったのに、もったいなかったです。下の息子のときは、ぜひ行ってみます。