間違えるのは大したことじゃない?ネイティブから得る英語教育のヒント
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英語を学ぶ時は、たとえ幼児でも、最初は間違えることを心配してなかなか言葉が口から出てこないかもしれません。でも、英語圏の子どもたちも最初はたくさん間違えて、少しずつ英語を身につけていくのです。カナダの子どもたちは、どうやって英語を学んでいくのでしょうか。カナダ在住のライターがレポートします。

つづりは後回し? まずはひたすら目と耳を鍛える
カナダでは、幼稚園(4歳、5歳)でアルファベットと簡単な単語の読み書きを習い始めます。book、lookや、boy、toyなど、同じ音を使う単語をまとめて教えられるので、子どもたちは、つづりを見て正しく発音できるように練習します。そのうえで、毎日音読の宿題が出されます。レベル分けされた音読用の薄い本が教室ごとにたくさん用意されているので、子どもたちは毎日、自分の力に合った本を選んで帰宅。このレベル分けは、教師が行います。
親子で、一に音読、二に音読…
正しい英語の発音をいつでも教えられるように、音読の宿題は親が側について行うよう、教師から奨励されています。子どもは同じ本を2~3日の間繰り返し読んだり、毎日違う本を読んだりと、好きな本を自由に選びます。この家庭での音読は、小学校2年生(7歳)頃まで継続。カナダの学校教育では、英語で正しく書くことよりも、まず英文を見てきちんと読めるようになることに力を注いでいます。もちろん、7歳になる頃には「読む」だけでなく、短い感想文といった「書く」宿題も出るのですが、これは単語を正しくつづれることよりも自分の意見を表現できるようになることに重点を置いて、指導されているようです。
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「正しい」よりも大切なことがある
その証拠に、7歳児が学校で書いたものを見ると、sic(sickのこと)、 yeres(years)、ies(eyes)などのつづりミスが多々見られます。しかし、この時点で教師から赤で修正が入ることはほとんどありません。それよりも、子どもの「表現したい気持ち」を大事にすることが優先されているようです。子どもたちは言い間違いもたくさんします。大真面目な顔でbreaked(breakの過去形はbroke)、mouses(mouseの複数形はmice)、nobody doesn"t like it…(言いたいのはおそらくnobody likes it…)などと使いますが、周りの大人が気付いた時に教えたり、学校で学年が進んだりするうちに、このような間違いは自然と修正されます。
間違えても全然平気!と思える環境を
日本では、英語を外国語として学ぶことになるので、カナダの学習法をそのまま取り入れて使うことが現実的ではないと思います。ただ、一つ感じるのは、たとえ外国語学習であっても、母国語を身につける時と同じく、子どもが間違えることを恐れる必要のない環境を用意してあげることが大切だということ。間違えなければ、言葉は使えるようになりません。英語そのものを教えるのではなく、英語で表現する喜び、英語で伝えることの楽しさを教えることが、英語教育のポイントだと思います。
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