九九、最難は7の段!? 8の段・9の段・6の段も時間がかかる!
アンケート期間 2011/07/27~2011/08/02 回答者数:2,392人
アンケート対象:本サイトメンバー 小3~小6の子どもがいる保護者
※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある
小学2年生で習う「九九」。1の段から9の段まで一生懸命唱えている子どもたちの様子を見ると、かわいらしくて応援してあげたくなりますね。さて、今回はアンケートからどんなところでつまずくのか、どうすると子どもが楽しくスムーズに取り組めるのかなど、先輩保護者からの知恵をたくさん紹介します。これから九九を習うお子さまをお持ちの保護者のかたにぜひ参考にしていただきたいと思います。
九九は95%以上が「できている」が、3年生以降も間違えることはある
【図1 お子さまは、九九の1から9の段の暗記や活用についていかがですか?】
図1で示した通り、まず、九九の習得状況をお聞きしたところ、5割以上が「とてもよくできている」と答えており、九九を問題なく使いこなしている様子を表しています。また、4割近くも「まあできている」と回答。全体傾向としては、九九はだいたい習得しているものの、少しあいまいに覚えてしまった段がある、特定の段は間違いが多い、といったケースもあるようです。九九はその後の割り算はじめ、計算する際にずっと使うものですが、九九の間違いから誤答してしまうことも。また、九九でひっかかると計算に時間がかかってしまい、計算がイヤだ!と面倒くさがる子もいます。やはりのちのことを考えると、しっかり習得させてあげたいですね。
では、習得のつまずきとなっているのはどんなことなのでしょうか? さらにアンケート回答を見ていきましょう。
7の段が難しい! 8の段、9の段、6の段もつまずきがち
それぞれの段の難しさについては、はっきりと傾向が出ました。子どもたちにとって最も難しいのは7の段で、回答のうち43.4%が「つまずいた・少しつまずいた」と回答しています。これにつづいて、8の段>9の段>6の段という順でつまずいていたことがわかります(図2)。「5の段まではわりと楽しみながら覚えていたのに、6の段から拒否反応を起こしているかのように急に覚えられなくなりました。何度やっても同じ所でつまずき、一度つまずくとふてくされてやめてしまい覚えるのが大変でした」など、5の段までは特に問題なかったが……という声が多く寄せられています。この原因については、保護者のかたからの具体的な声によく表れていました。
【図2 お子さまは、九九の1から9の段の暗記や活用についていかがですか?】
●唱えて覚えるので、言いづらいものは覚えづらい?
・「ししち」と「しちし」の区別が言いにくい……と言っていましたが、「どちらも、答えは一緒か」と、本人は、半ば、あきらめぎみに練習を終えてしまいました。今は、言えます。
・3×9と6×4がごちゃまぜになったり(にじゅうしちとにじゅうし)、早口で適当にごまかそうとするので、はっきり聞き取れるまで言わせていました。
・早く言おうとして7(しち)なのか4(し)なのか、あいまいに覚えてしまう。
7の段については「しち」と「し」や「しちし」などの発音する際に混同しやすい「音」が続くことが一つの大きな壁になっているようです。子どもたちは九九を覚える際に、声を出しつつ目からも耳からも覚えることが、言いやすい段との差になってくるのでしょう。そういう意味では、4の段も10%程度の子が「つまずいた・少しつまずいた」と回答しています。「5×7=35はすぐ出てくるのに、7×5になると、スッと出てこないようでした」という声もありましたが、これは音の関係で7の段と混同しやすかった結果のように思われます。
●数が大きくなると難しそうだと思ってしまう? 言いづらい?
・数が大きくなると難しいと無意識に思うみたいで、同じように覚えるだけなのに大変そうだった。
・大きい数の掛け算はそれ以外の段の掛け算に比べ、「なんじゅうなに」が多いので、言い間違えたりしていた。
・数が大きくなると時々言い間違いをしていた。
・7・8の段は数も大きいというイメージからか、難しいと思い込んでいたようです。
・7の段はちょっと時間がかかりました。いまだに、苦手な7×6、8×7など大きい数字が先にくるのは怪しげです。でも、何度もやっているうちに確実に覚えるだろうと思っています。
実際、大きい数=難しいというイメージがあったり、小さい数よりは計算慣れしていないということもあったりするのでしょうか。上の回答のように、「大きい数は時間がかかった・間違えた」という回答が多く見受けられました。
6割は宿題として九九について暗唱やドリルなどがあった!
九九を習得するには、とにかく反復練習ということでしょうか、回答者の6割が「家庭での宿題として出された」と回答しています。宿題の内容としては、保護者を巻き込むタイプのものが多く見られました。たとえば保護者のかたに九九を唱えるのを聞いてもらい、サインをしてもらったり、九九を唱えてタイムをはかったりなどです。
また学校で賞状をもらえるような取り組みや、「検定」をつくって行うなどの学年上げての盛り上がる取り組みをしている学校もありました。
・毎日、家の人に聞いて確認してもらう宿題が出ていました。
・九九の暗唱⇒百マス計算と学校の宿題が出て、夕飯前に母親が聞きタイムを計った。
・学校で九九の勉強が始まる前に少し家で言わせていました。学校で始まってからは検定もあり、九九を唱える宿題が毎日出たので、毎日九九を練習しました。
・学校から昇順・降順ともに15秒で暗唱できるようにとの宿題が出たので、親が時間を計って言わせていました。
・暗唱の宿題を母が聞いていた。学校で校長先生に聞いてもらって賞状をいただく活動があり、特に学校でがんばって覚えていました。
・「1分九九」という、1分で九九全部間違わずに言うことが宿題として出された。一緒に練習したがわたしも口がもつれて1分ではなかなか難しくて、2人で競い合って暗唱した。
九九をうまく習得するにはその子に合ったツボと家庭でのかかわりかたが重要!?
宿題になっていたことも手伝って、多くのご家庭でお子さまの九九への取り組みに保護者がかかわっていました。そしてうまくいくコツとして何点か浮かび上がってきたものを紹介します。
●競争が好きな子は友達や親、きょうだいなどと競って取り組む
お子さまのタイプによりますが、ライバルや身近な競争相手がいると燃えるタイプの子には「競争」は良い効果があります。特に他者と競わなくても、「昨日の自分のタイム」など、自分自身の到達度と競うことでもよいでしょう。
●九九が目に入る・九九に取り組む頻度が上がる環境づくり
リビングやお風呂などに九九のポスターを貼ったり、九九のカードなどを利用している場合はいつでも目につくところに置いておいたりするなど、日々の生活のなかで目に触れる頻度が高いほうが、自然に子どもが取り組めて良いですね。
●楽しんで取り組める空気の演出
「歌ったり踊ったりして親子で取り組みました」という声もありましたが、「楽しく取り組む」ことは重要です。九九を家族の話題の中心にしたり、ゲームのように取り組んだりするというやりかたはおすすめです。また、お風呂で取り組むのも良いですね。ゆったりと体がリラックスし、親子で楽しい話をしている雰囲気が良かった、という声も多数。単なる勉強時間にとどまらない、親子のコミュニケーションの時間にもなります。
●親が見ていてあげる・できたところを認めてほめてあげる
子どもが取り組んでいるときに、見ていてあげることも大切です。家事や仕事で忙しくても、とにかくがんばって付き合ったという保護者の声がありましたが、ぜひそうしてあげましょう。できたところ・上達したところを見つけてほめることで、やる気につながります。
多くの学校では、夏休みが明けたら授業で九九が始まるでしょう。保護者のかたも事前にちょっとした家庭の準備ができると安心です。具体的にどんなことができるか、取り入れられることがあればぜひトライしてみましょう。
最初は少しスムーズにいかない段があっても、落ち着いて楽しく取り組める環境づくりで、「九九は得意だよ!」とお子さまが胸をはれるように、自信を持たせてあげたいものですね。