「塾に通わないで中学受験に合格するのは難しいか?」専門家分析
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中学受験のために、放課後、夜遅くまで塾に通っているという小学生は少なくない。とはいえ、本当に塾に通わないと志望校に合格できないのだろうか? そんな保護者からの疑問に、森上教育研究所主宰の森上展安氏が答える。
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【質問】
小6の女の子です。来年春、教育大学付属の国立中学校の受験を予定しています。自宅で大手受験塾出版のテキストを用いて独学していますが、塾に通わないと合格は難しいものでしょうか?
【森上氏のアドバイス】
一般に共学の国立大付属中学校はあまり難問奇問を出しませんから、塾通いの比率は私立より低くなります。しかし、一般的には少数派のようです。わたしの知り合いの娘さんが、中学校の研究発表で塾に通った人の割合を調べたそうです。娘さんの中学校は超難関校の次ぐらいの難易度ですが、クラスの中で塾に通わなかったのは当人だけだったそうで、友達に珍しがられたようです。しかし、この話には落ちがあります。わたしの知り合いは、中学受験の塾講師を経験したことがあり、家庭で娘さんを受験指導していたのです。この事例を見ても難関校・上位校の合格者は、ほとんどが塾に通っているのが現実ではないでしょうか。
また、中堅校・一般校で、どのように受験準備をしたかを調査したことがあります。調査の結果は、塾に通った生徒がほとんどでした。自宅学習だけで塾に通わなかった生徒は3%弱で、難関校・上位校と同じような割合になると思います。中堅校・一般校であれば、市販の教材を保護者が適切に指導すれば、合格を勝ち取ることが可能です。ただ実際には塾に通わせるご家庭がほとんどなのです。
なぜかと言えば、保護者が家庭学習でお子さんを指導する場合、中学受験では、国語や理科・社会はともかく、算数は保護者が中学受験を経験していなければ、うまく教えられないからです。算数の指導がネックとなります。そのほかにも、家庭学習は、親が子どもを指導する場合、親子の甘えから、どうしても感情のぶつかり合いがあり、大きなデメリットになります。また、自宅での指導は、緊張感がないので、集中できない点もデメリットとなるでしょう。家庭学習だけでも合格可能な場合でも、塾に対する負担よりも家庭学習での負担を嫌い、塾に通わせているご家庭が多いと思われます。
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