中学受験で最も大切なこと 「受験の意義を子どもに理解させる」
子どもの将来を思って中学受験に挑戦させる保護者もいれば、「遊びざかりの子どもに受験勉強をさせるのは忍びない」と中学受験に消極的な保護者もいる。そして、その両方の間で揺れる保護者も少なくないようだ。
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森上教育研究所の森上展安氏が、受験の相談会を開くと、「周囲の子どもが中学受験をしていて、我が子も塾に行きたいというので、塾に通わせているが、本当に小学生の頃から勉強ばかりさせても良いものか、考えてしまいます。いかがでしょうか」との相談をする保護者が必ずといっていいほどいるのだという。そして、森上氏は、以下のようなアドバイスをする。
「中学受験を行うかどうかは、お子さんの成熟度とご家庭の教育方針によるところが大きいと思います。お子さんの成熟度とは、お子さんが受験に耐えられる肉体と精神を備えているかという意味で、小学生は成熟度の個人差が大きく、成熟度の遅い子どもに受験を強いることは避けるべきでしょう。また、ご家庭の教育方針が『子どもでも目標を持ち、目標を達成することを評価する』というものならば、もしも、第1志望校に合格できなかったとしても、その後の子どもの人生で中学受験から学んだことが生きると思いますが、子どもはのびのび育てたいというのであれば、受験は子どもが成長したあとの高校受験や大学受験で行っても良いと思います」
とにかく最も大事なのは「中学受験の意義を親が理解し納得したうえで、子どもにも同様に理解させ納得させること」と強調する森上氏。子どもが精神的に未熟で、中学受験の意義をほとんど理解できないようであれば、無理矢理に中学受験を強要しても子どもを「勉強嫌い」にするだけで、時間と金の浪費となるのはもちろん、子どもを傷つけてしまうこともあるという。