理科の問題? 社会の問題? 境目がなくなっている中学入試問題

2012年4月に開催された森上教育研究所主催「わが子が伸びる親の『技』研究会」セミナーにて、首都圏を中心に国・私立中学校のべ119校の2012年度社会科入試問題の分析を行った、文教大学専任講師の早川明夫氏。そこで、早川氏は「衣食住など生活に身近なテーマや設問が多い」というポイントを挙げ、さらに社会科の問題と理科の問題の境目がなくなってきたことを指摘した。

 

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まずは、実際の問題を見てみよう。

 

■明治大学付属明治中(理科)
日本の世界遺産とそれに関連した語句を記号で答えさせる問題

 

■立教女学院(理科)
発電所の種別とその説明文を正しく見合わせる問題

 

これらの出題について、早川氏はこう分析する。

 

「以上の2つの問題は両方とも理科の問題です。社会科の問題ではありませんが、どちらの教科から出題されてもおかしくない内容が多く出題されました。このように理科と社会科の問題に境目がなくなってきています。例えば理科で『地震』や『エネルギー』を学習したら、社会科のその分野の学習内容を見直すようにしましょう。反対も同じです。そうすることにより、学習にも広がりが出て、理解が深まり、おもしろみも感じることができます。また、情報は単に頭に入れるだけではだめです。使わないとすぐに忘れてしまいます。特に時事問題については、折にふれて、家庭で話し合うようにしましょう」

 

出典:全般的な出題傾向 <社会> -ベネッセ教育情報サイト

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