「5年生までに入塾すれば中学受験に出遅れない」と専門家

中学受験を考えている保護者にとって難しいのは、どの時期から受験勉強を始めるべきか、という点。特に「いつから塾に通わせるか」という問題に悩む保護者は多いだろう。森上教育研究所を主宰する森上展安氏が、中学受験を終えた保護者を対象に行なったアンケート調査では、入塾時期について以下のような結果が出ている。

 

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【入塾した学年とその割合】

 

保護者アンケートの設問:いつから塾に通わせましたか?
学年入塾時期件数
1学年1年:4月 ~ 1年:12月4件6%
2学年1年:1月 ~ 2年:12月2件3%
3学年2年:1月 ~ 3年:12月8件11%
4学年3年:1月 ~ 4年:12月39件55%
5学年4年:1月 ~ 5年:12月14件20%
6学年5年:1月 ~ 6年:12月4件6%
71件100%

 

 

この結果について、森上氏が分析する。

 

難関中学校を狙うにしても、小学1~2年生から塾に通わせるのは早すぎるのではないかという話をよく聞くが、1年生と2年生からの入塾は合わせても10%に満たない。小学校低学年から本格的に受験勉強をさせることは、子どもの人間教育上、問題があるのではないかという心配だけではなく、それ以上に、中学入試までの長期間を受験勉強しつづけることができるのかを心配する親御さんが多いのではないかと思う。

 

小学4年生から塾に通う割合が最も多く55%と過半数となっている。過半数を占めるということは、塾も多数を占める4年生で入塾する生徒を中心にカリキュラムを作成するので、出遅れるという心配はないだろう。

 

もちろん、5年生で入塾する割合は20%もあるので、5年生からの入塾者に対応できるカリキュラムにしている塾が多いと思う。ただし、塾によっては、4年生までに入塾する生徒がほとんどの場合は、4年生で習ったことを前提として授業を行うので、5年生からの入塾者は、わからないことが多くて授業について行けないことになるので注意が必要だ。また、6年生が少ないのは、入試難易度ランクが高い場合、中学受験は少なくとも準備に2年間かかるからということもあるが、上記同様、それまでに習ったことを理解しているという前提で授業を行うので、授業について行けないことが原因だろう。

 

難関校では高い学力を求められ、早くから準備しなければ間に合わない場合もあるが、中下位校では、基礎学力を試す入試問題で塾に通わなくとも合格できる場合もある。一般的には5年生までに塾に通わせれば、出遅れるということはないだろう。小学生は身体的にも精神的にも成熟度の個人差が大きい。早い時期から塾に通うことに耐えられるかどうかは、子どもの体力ややる気によるので、我が子の状況によって決めるべきであろう。

 

出典:低学年から始める中学受験準備[中学受験] -ベネッセ教育情報サイト

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