低学年から始める中学受験準備[中学受験]

いつから塾に通わせるべきか、迷っている親御さんも多いはずだ。早くしないと出遅れてしまうのではないかという焦りと、逆に、早すぎると弊害もあるのではないかという心配もあり、入塾時期については相談を受けることが多い。

<表>は、すでに中学受験を終えた保護者にアンケートを行い、入塾時期を学年ごとにまとめたものである。入試難易度ランクの高い保護者が多かったためか、3年生以下の割合が高く、6年生の割合が低い傾向があるようだが、入塾する学年は4年生が55%と最も多く、次は5年生が20%、3年生が11%、6年生と1年生が各6%、2年生が3%の順である。

難関中学校を狙うにしても、小学1~2年生から塾に通わせるのは早すぎるのではないかという話をよく聞くが、1年生と2年生からの入塾は合わせても10%に満たない。小学校低学年から本格的に受験勉強をさせることは、子どもの人間教育上、問題があるのではないかという心配だけではなく、それ以上に、中学入試までの長期間を受験勉強しつづけることができるのかを心配する親御さんが多いのではないかと思う。

小学3年生から中学受験をスタートする割合もそれほど高くはない。入試まで4年間あるが、中学受験で重要な5年生・6年生の時期に勉強に飽きてしまっては、早く受験準備を始めた意味はない。早く受験準備を始めることのメリットもあるが、それ以上にデメリットも大きいことを考慮すべきだ。小学4年生から塾に通う割合が最も多く55%と過半数となっている。過半数を占めるということは、塾も多数を占める4年生で入塾する生徒を中心にカリキュラムを作成するので、出遅れるという心配はないだろう。

もちろん、5年生で入塾する割合は20%もあるので、5年生からの入塾者に対応できるカリキュラムにしている塾が多いと思う。ただし、塾によっては、4年生までに入塾する生徒がほとんどの場合は、4年生で習ったことを前提として授業を行うので、5年生からの入塾者は、わからないことが多くて授業について行けないことになるので注意が必要だ。また、6年生が少ないのは、入試難易度ランクが高い場合、中学受験は少なくとも準備に2年間かかるからということもあるが、上記同様、それまでに習ったことを理解しているという前提で授業を行うので、授業について行けないことが原因だろう。

難関校では高い学力を求められ、早くから準備しなければ間に合わない場合もあるが、中下位校では、基礎学力を試す入試問題で塾に通わなくとも合格できる場合もある。一般的には5年生までに塾に通わせれば、出遅れるということはないだろう。小学生は身体的にも精神的にも成熟度の個人差が大きい。早い時期から塾に通うことに耐えられるかどうかは、子どもの体力ややる気によるので、我が子の状況によって決めるべきであろう。



【入塾時期の調査結果】


保護者アンケートの設問:いつから塾に通わせましたか?


学年 入塾時期 件数
1年生 1年:4月 ~ 1年:12月 4件 6%
2年生 1年:1月 ~ 2年:12月 2件 3%
3年生 2年:1月 ~ 3年:12月 8件 11%
4年生 3年:1月 ~ 4年:12月 39件 55%
5年生 4年:1月 ~ 5年:12月 14件 20%
6年生 5年:1月 ~ 6年:12月 4件 6%
71件 100%

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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