[私立高校の魅力はどこにあるか? 高校受験]私立ならではの学校のタイプがある
不況の長期化、公立高校の授業料無償化などにより、各都道府県で公立高校志向が一段と強まっています。一部の単願推薦で受験する人を除けば、限られた難関校以外は、私立高校は併願で受ける人が多くなっています。そのため、つい「間違いなく受かる学校探し」になり、選択がおろそかになりがちです。
そこで今回は、選択を誤って後悔しないよう、今一度「私立高校の魅力」についていろいろな側面から考えてみましょう。
進学校と付属校について
さまざまなタイプの生徒が集まる進学校
大学に進学する人が多数派となったことを受けて(2010年度には4年制大学進学率は50.9%に達しました)、大学合格を目指す進学校になろうと、学校改革を進める私立高校がとても多くなっています。なかには「特別選抜コース」「特進コース」「進学コース」「総合進学コース」などと、生徒の学力レベルに合わせていくつものコースを設けている学校もあります。
このような学校の魅力は、さまざまな学力層の生徒が集まるため、互いに刺激し合うことができる点です。学力で輪切りにされる傾向にある公立では、そうはいきません。また、交通機関の発達により、私立にはさまざまな地域から生徒が集まるようになりました。それぞれが住む場所の事情の違いに気づくなど、新鮮な発見があるかもしれません。
高い学力をつけることに力を注ぐ付属校
系列の大学にエスカレーター式に進学できる付属校があるのも、私立高校の魅力のひとつです。付属校の大きなメリットとして、3年間みっちりと部活動に打ち込めることを挙げる高校生も多いです。付属校に入り系列大学への入学が決まれば、大学受験に備えて高校3年の早い時期に部活を引退する必要はなくなり、卒業ギリギリまで活動を続けることができます。
以前は、付属校の生徒は、「進学先が保証されているので勉強しない」「英語が弱い」ということがいわれていました。が、大学側が付属校、系属校とのパイプを強化しようとしていることもあり、高い学力をつけることにどこも力を注いでいます。大学に推薦するにあたって、英語力が一定以上という基準を設けている学校も増えています。
このほか付属校は、課題研究やレポートの提出、研究発表などが頻繁にあります。大学に赴いて、大学生と一緒に授業を受けるというカリキュラムを用意している学校もあります(大学進学後はそれが単位として認められる)。
ですから付属校生は、けっこう忙しいのが現実です。