[私立高校の魅力はどこにあるか? 高校受験]私立ならではの学校のタイプがある
男子校と女子校がある
一部の県を除いて、男子校と女子校は私立にしかありません。長い人生において、男子だけ、女子だけで過ごす3年間はとても貴重な経験ともいえます。
「男子校」は昔と違ってソフトなイメージ
最近は、男子自体が大きく変化しているので、男子校も昔ながらの硬派な学校は少数で、男子校といっても多くはソフトなイメージになっています。それでも、柔道・剣道の両方が必修の学校があったり、耐久歩行の行事など、体を鍛える伝統行事があったりするのは男子校ならではといえるでしょう。
行事面では、先にもふれましたが、「鍛える」というイメージのものが多いのが特徴です。ただ、「我が子が泳げないからとプールのない学校を探す」という保護者がいる時代になって、硬派のイメージの学校はどうしても敬遠されがちです。私などは、「泳げないなら泳げるようにするのが教育」だと思うのですが……。
部活動は、スポーツが盛んで運動系の部活が多種多様あるというのが共通する特徴です。しかし、すべての部が同じレベルで活発に活動しているわけではないので、志望する場合は、やりたい部活の状況がどうなのかといったことも事前に調べる必要があります。また、強豪として有名な種目は、スポーツ推薦で優れた能力の生徒が入ってきて、それ以外の生徒はとてもレギュラーにはなれないというケースもあります。学校生活において部活の比重はとても大きいので、その辺りのことも受験前に調べておいてください。
授業も行事もそうですが、男子校だからという固定したイメージを抱くと、実態とは異なることがあります。個々の学校を見ることが大切です。
「何でも女子がやる」ことが女子校の最大のメリット
近年の傾向として、私立の女子校が生徒の人間関係について非常に細やかな対応をしているということは、特筆すべき点といえます。普段の学校生活の中で、少し元気のない生徒がいたらクラス担任の先生が声をかける、というレベルまで、学校の方針で徹底しているところも少なくありません。いじめなどの人間関係の問題は、受験生にとっても気になるところですから、当然、女子校の側でも配慮しているというわけです。
女子校に進むことの最大のメリットは、「女子校では何でも女子がやる」ということです。生徒会長も、学級委員も、クラブの部長も……トップはすべて女子です。共学校だったら男子が担当する力仕事も自分たちでやらなければなりません。こうしたリーダーとしての経験、人任せにしないでどんなことにもチャレンジするという経験は、とても貴重な体験になります。
女子校の一番大きな特徴は、女子向けの施設がそろっているということです。たとえば、調理室・被服室など家庭科関係の教室が充実していたり、茶室や礼法室があったりします。また、学校によっては、おしゃれなカフェテリアが作られ、メニューにはデザート類が充実していたりといったことも。校舎のデザインも、いかにも女子校らしい淡い暖色系の色を基調として使っていたり、トイレや洗面所の設備に大変気を使っていたりします。
部活動は、共学校に比べていろいろな種類があります。もちろん、共学校にも女子はいるので、テニス部や吹奏楽部など人気のある部活は、共通してどちらにもあります。部活のあるなしは、女子校・共学校の違いというよりは、生徒数の違いによることが要因といえます。女子の人数が多い女子校のほうが、当然クラブの数は多くなります。
最後に、勉強面ですが、大学受験に必要な教科など基本的な教科については女子校も共学校もほとんど違いはありません。違いがあるのは、女子校でしつけや情操教育に力を入れている場合で、そうした学校の時間割の中には「礼法」や「茶道」「華道」「園芸」などの時間があります。