ボリュームゾーンがどこに受かっているか[大学合格実績の見方 第4回]
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「東大1名、2名」の合格は関係ない
大学合格者数は、つい難関大学の数字ばかりに注目してしまいがちです。実際1名、2名でも東大合格者が出ると、翌年受験者数が飛躍的に増加するという現象がよく見られます。しかし、冷静に考えてみて「東大1名、2名」に我が子が入る確率がどれだけあるでしょうか。
週刊誌や受験情報誌などは難関大学の現役合格率などを表にするので、保護者の興味・関心はどうしてもそちらにいきがちですが、優秀な1名、2名の合格先より、その学校のボリュームゾーンがどこに進学しているかに注目したほうが、現実的な判断には参考になると思うのです。
進学者数がわからなければ、合格者数が最も多い大学はどこか、2番目はどこか、といった見方をしてもいいでしょう。
一番多く合格しているのはどのくらいの難易度の大学なのか、ボリュームゾーンの合格先のほうが、将来我が子の進路になる可能性が高いと考えたほうがいいと思います。
進路先が多様なのが当たり前では?
また、進学校の中には、特定の難関大学や医学部以外には現役ではほとんど進学していない学校があります。大学名のブランドにこだわった受験ということです。
こうしたデータを見ると、私は「世間の目で選んで」、「自分の生き方で選んでいない」ように感じてしまいます。
その一方で、生徒の進学先が多種多様な学校があります。それぞれが在学中に自分が好きなこと、向いていることを見つけて進学先を選んでいるから多様になるのだと思います。こうした進路指導ができている学校がいいのではないでしょうか。お子さまが複数いる保護者はお気づきだと思いますが、同じように育てていながら、きょうだいでもすごく違うものです。ですから多様なのが当たり前の姿なのです。
このようにひと口に「大学合格実績」といっても、実にいろいろな顔があるのです。これからはここに挙げたような視点を参考に、数字を見るようにしてください。
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